トヨタホームの耐震性能は、住宅性能表示制度に基づく最高等級の3を標準で確保しており、実大試験においては震度6の揺れを17回繰り返しても損傷がなかったことを実証しています。
ただし、メーカーが公開している資料では、パワースケルトン+T4(制震装置)の場合としています。
パワースケルトンとは、鉄骨ラーメン構造で造った箱型の骨組みのもので、T4とはトヨタホーム独自のショックアブソーバーを利用した制震装置で、自動車メーカーのグループ会社らしいものです。
また、T4は外壁廻りのみの設置のため、ラーメン構造の特質とも合わせて内部に大空間を確保できると共に、フレキシブルな間仕切り計画が可能となります。
トヨタホームには、上記の鉄骨ラーメン構造の他に鉄骨軸組工法があり、同様に等級3を標準としていますが、注文住宅のプランによっては確保できない場合もあるようです。
なお、鉄骨軸組工法に採用されている柱はラチス柱と呼ばれており、この柱自身が揺れに耐え吸収する性能を持っているため、木造軸組工法で見られる耐力壁が必要なく、パワースケルトン同様に大空間や大開口を可能としています。
住宅以上に厳しい環境下で使用される自動車メーカーのグループ企業であるトヨタホームでは、自動車で培ったノウハウが十分に生かされており、快適な住み心地を提供しています。
かつては鉄骨住宅の欠点とされていた、サビ、熱橋・結露、伝播音などは、色々な実績や検証を積み重ねていく中で、各社で解決されており、現在では鉄骨造の長所である高強度を生かしたものになっています。
現在のハウスメーカーが提供している住宅では、高耐震、高断熱・高気密、省エネは標準仕様になっており、それらを基本にして如何に住み心地等の付加価値をつけるかが企業努力となっています。
トヨタホームでは、鉄骨ラーメン構造を利用したもの、あるいは独自開発のラチス柱の採用で耐力壁を不要とする鉄骨軸組構造で、大空間や大開口を可能としています。
これは、外壁の窓を広く・高くできると言うこと、そして広い居室を可能にすることに繋がり、明るく開放的な住み心地を提供してくれます。
合わせて、内部間仕切りが自由に行えるなどの付加価値を生み、将来の家族構成の変化や高齢化などによる生活スタイルの変化にも対応しやすいことに繋がります。
トヨタホームもヘーベルハウスも共に鉄骨住宅を提供していますが、構造的な比較ではそれに使用されている鉄骨材に大きな違いがあります。
鉄骨には、鉄の肉厚が3〜4mmの軽量鉄骨と6mm以上の重量鉄骨があり、トヨタホームは前者でヘーベルハウスが後者になります。
一般的な住宅規模の範囲では軽量鉄骨で十分で、ビル等の大型建築物に使用される重量鉄骨は過剰のような気もしますが、より安全により住宅寿命を長く、と言う意味では重量鉄骨造の住宅選択は有利だと思います。
反面、重量鉄骨は各部材が大きくなり、室内に柱形状が現れる、基礎が大きくなる、そして比較的高額になるなどのデメリットもあります。
なお、トヨタホームでは外壁の仕上げ材が自由に選択できるのに対して、ヘーベルハウスでは同社のALC(軽量気泡コンクリート)材の使用が前提となっています。
このALCは名前の通りに内部に気泡を含んでおり軽量で耐火性能にも優れたもので、耐火建築物とすることが必要になる準防火・防火地域に多く採用されているものです。
トヨタホームの住宅は、他のハウスメーカーと競合しやすい価格帯ですが、ヘーベルハウスはその構造や外壁などで特異な存在で、価格帯も上位の部類に位置していると思います。
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