トヨタホームの「シンセ」とセキスイハイムは共に鉄骨ラーメン構造で、共に住宅をユニット分けして工場生産されています。
しかし、トヨタホームが構造体ユニットのみを工場生産しているのに対して、セキスイハイムは仕上げまで含んだものをユニットとして工場生産し、現場施工は接合部分のみとしている違いがあります。
従って、現場での施工時間はセキスイハイムが圧倒的に短く、早ければ2ヶ月ほどの工期で完成し、一般的な工法に比べて1〜2ヶ月ほど短くなります。
反面、ほとんどを工場で仕上げるためメーカーの設定条件などから、注文住宅と言えどもデザイン的には画一なものになりやすい傾向があります。
なお、両社の住宅性能は他のハウスメーカーと同様に、ほとんど遜色がないもので、耐震性能、断熱・省エネ性能などの基本性能は問題なく、アフターメンテナンスや保証に関しても十分なものだと思います。
積水ハウスの商品群は多様で、1階・2階建ての軽量鉄骨造、3階・4階建ての重量鉄骨造、そして木構造の3種類があり、トヨタホームと競合し比較対象となるのは軽量鉄骨造になると思います。
特に積水ハウスの軽量鉄骨造は、トヨタホームの「エスパシオ」シリーズと同じ鉄骨軸組造で競合しやすく、軽量鉄骨でラーメン構造を採用している「シンセ」シリーズとも競合します。
積水の軽量鉄骨造は、木造軸組をそのまま鉄骨に置き換えたもので、柱・梁の他に耐力壁(筋交い)があるのに対して、トヨタホームの「エスパシオ」や「シンセ」は、それぞれ耐力壁が不要のラチス柱、そしてラーメン構造を採用している違いがあります。
構造的にどちらが有利であるかの判断はプランによって異なりますが、敢えて比較すると外観形状の自由度は積水ハウス、大空間・大開口、そして将来の間仕切り変更などに対しては、トヨタホームの構造が有利だと考えます。
トヨタホームの住宅構造は、鉄骨ラーメン構造と鉄骨軸組構造の2種類で、ミサワホームでは木質系と鉄骨ラーメン構造となっています。
構造耐力は両社共に実大試験などで十分に検討されていますので、比較することにはあまり意味がなく、鉄骨ラーメン構造に制震装置を付加している構造も同じで、耐震性能も遜色ないと考えていいでしょう。
両社のラーメン構造躯体で異なるのは、トヨタホームが鉄骨フレームのみの特徴を謳っているのに対して、ミサワホームでは鉄骨フレームに外壁材とサッシを工場でセットしている違いがあります。
ミサワホームで採用している外壁材は、30年の高耐久塗料を施したセラミックの外壁材で、耐火性能にも優れており、ミサワでは鉄骨フレームと合わせてハイブリット住宅と呼んでいます。
なお、ミサワホームの木質系は構造用合板を工場でパネル化したものを組み上げていくもので、パネル工法のひとつです。
以上から、トヨタホームとミサワホームをハード部分で比較するなら、外壁材の選択肢が多いトヨタ、セラミックの高耐久塗装のミサワ、あるいは鉄骨か木質かになると思います。
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