ローコスト住宅のタマホーム「1,000万円以下」で家は建つのか?
大手でありながら、ローコスト。それがタマホームの魅力です。
タマホームなら1,000万円以下でも家が建てられるかも!と期待がふくらみますが、実際のところはどうなのでしょうか。
施工実例などをふまえつつ、リアルなところを調べてみました。
結論から言うとタマホームとはいえ、延床面積を削ったとしても1,000万円以下で家を建てることは無理でしょう。
しかし、同じ内容ならタマホームより安い住宅メーカーはないはずです。
1,000万円で一戸建て、望むこと自体が無理な話かもしれません。
「25.8万円」、タマホームが以前、全面的に打ち出していた坪単価。
他の住宅メーカーの坪単価が70万円程度といったところが多いため、この価格は画期的。
2019年8月現在でもタマホームの坪単価は「34万円~75万円」となっていますので、他社に比べて手が届きやすいメーカーであることは確かです。
https://suumo.jp/chumon/tn_chiba/an_kisarazu/K00/
しかし、
- 坪単価の計算を「延床面積」ではなくベランダや玄関ポーチを含めた、「施工床面積」で算出する
- 建物本体工事だけの料金で、上下水道、電気、ガスといった付帯工事を一切含めない
- 標準の設備の料金であり、オプションは当然ながら別料金
といった坪単価を安く見せるためのテクニックを駆使していることを指摘する声も多いですね。
付帯工事を入れて、オプションも付けて、延床面積で割ったら、結局坪単価は50万円弱。
いやいや、充分安いじゃないですか!!
これでも、大手住宅メーカーでは絶対に建たない坪単価ではあるのですが、25.8万円から比べるとやっぱり高い。
ゆえに、結果的に揉める・・・、そんなことを繰り返してきたのでしょう。
近年のタマホームは坪単価を前面に押し出さないアピールに切り替えてきています。
では、経済的にまだ十分な貯えがない20代の若者をターゲットとした商品「シフクノいえ」はどうでしょうか。
https://www.tamahome.jp/20dainotamahome/products/shifuku_20190701.pdf
こちらの公式サイトにもあるように、「900万円台=1,000万円以下」で新築が手に入るという点がアピールポイントで、実際に20代を中心に人気を集めている商品です。
「安心のコミコミ価格」が謳い文句で、通常は別料金になることが多い以下のような項目が含まれて上記の金額となります。
- 屋外給排水工事費用
- 仮設費用
- 下水道接続工事費用
- 屋外電気配線工事費用
- 地盤調査費用
- 工事監理費用
- 雨水排水工事費用
- 住宅瑕疵担保責任保険加入費用
- 諸検査費用
- オプション工事費用
- 屋外立水栓工事費用
- 設計料
こういった費用が含まれていて、さらに標準仕様も充実しているということであれば本当に1,000万円で家が建てられるかもしれないな・・・と期待させる商品ですよね。
しかし実際どうなのかというと、こちらのページでもわかるように20代で買っている方でも「施工費 1,000万円以下」という方は見当たりません。
https://www.tamahome.jp/20dainotamahome/voice.html
1,000万円の壁は、思った以上に高くて堅いと言えるでしょう。
では一体いくらだったら、タマホームで住宅は建つのか?
例えば、1,000万円以下の予算でタマホームは建つのか?と考えた場合、まあ建たないと考えてよいでしょう。
HPに掲載されている住宅の中で、最も安価なものは3LDKの平屋建てで1,550万円。
https://www.tamahome.jp/voice/feature_01.html
屋根や基礎にかかる金額が平屋の場合大きくなりますから、坪単価は上昇するもの。
延床面積も間取り図も公開されていませんから、判断材料に乏しいのですが、この内容で他のメーカーなら1,550万円では建たない。
やはり、タマホームは安いですし、コストパフォーマンスという点で頭一つ抜けてはいるのです。
しかし、1,000万円以下で建てようと思ってもまずムリなのです。
小さな家にすれば建つのではないか?
そう考えるかもしれませんが、坪単価で考えるならば、大きな家の方が安くなるもの。
例えば、トイレやバス、キッチンは、どんな住宅でも1組ずつは必要になりますが、これらは非常に高いもの。
ですから、小さな家のほうが坪単価は高くなってしまうのです。
先ほどの、HPに掲載されていた3LDKの住宅の延床面積を推測するに30坪程度、一家4人で暮らすならばどうしても欲しい広さです。
それで、1,550万円ですから、やはり1,000万円以下となると厳しい条件、もっと延床面積や部屋数を削っても難しいでしょう。
だから、タマホームは、、、とここで考えるべきではありません。
1,000万円以下という条件が厳しすぎるのですし、現状タマホームより安い値段で建てられる住宅メーカーは、ほぼないのですから。
「タマホームでも1,000万円以下では家は建たない」
という部分だけにフォーカスしてしまうと、「他社と大差ない」「インチキ」といったネガティブな捉え方をされてしまうかもしれません。
しかし、タマホームで家を建てる魅力は単に「家を安く建てられること」ではないのです。
例えばこちらの平屋住宅を参考にしてみましょう。
https://suumo.jp/chumon/tn_chiba/rn_tamahome/101745_0000/jitsurei/jc_0068/
日本ではちょっと珍しいアメリカンスタイルが目を引くこの物件は、カバードポーチ、窓の格子、ポスト、マリンランプ、シーリングファン、照明、クロスなどをアメリカからお取り寄せしてコーディネートしたのだとか。
庭にはヤシの木まであってかなりこだわりを貫いて設計されたことが伺えますが、価格は「1000万円台(1500万円~1999万円)」で、お手頃なんです。
このくらい細部までこだわっている場合、他社だと軽く2000万円は超えてしまうでしょう。
耐震・免震・制震、そして高耐火、高断熱、省エネ、防音とスペックの面でも「安かろう、悪かろう」とは言わせないクオリティ!
確かに1,000万円以下で家は建てられませんが、「こだわりを詰め込んでも安い」「ベースが安いから希望をとことん反映できる」という点がタマホームの持ち味であると言えるでしょう。
タマホームがローコスト住宅を得意としているのは間違いないことではあるのです。
アイフルホームの「iプライム7」やアイダ設計の「888万円の家」など1,000万円以下という住宅が話題になっています。
iプライム7の場合は、間取りを考えるなどといった手間は施主まかせ、さら自由度も低くなっているもの。
https://www.web-housing.jp/i-prime7/index.html
888万円の家の場合は延床面積が28坪、4LDKの注文住宅が建つといいますから、内容を見る限り結構なもの。
https://www.aidagroup.co.jp/order/view/13
しかし壁紙やドアなど内装全てがパターン化してしまっているので、建売と感覚が変わらないとの声もあります。
そして、iプライム7や888万円の家、両方とも見逃してはいけないのは、付帯工事費が全く含まれていないという点。
「1,000万円以下で住宅が建ちます(ただし住宅本体のみ)」という手法は、ちょっと前のタマホームと同じですよね。
もちろん、現在のタマホームでも1,000万円以下の住宅は建てることはできますが、地盤調査や電気・給排水など付帯工事の料金は含まれていませんから、その家に住むことはできません。
結局、全部込みこみ、何らかのオプションを入れたら1,500万円ぐらいの住宅になってしまうのです。
実際、SUUMOなど住宅情報サイトでも1,500万円前後の実例が多いので、この辺がタマホームの中心価格帯と言えるでしょう。
これはタマホームに限ったことではなく、「ローコスト住宅」と言われる多くのメーカーに共通した傾向。
「1,000万円以下の家」をうたい文句にしていたとしても、最終的にはプラスで500万円前後かかるものと思っておいた方が良さそうです。
さて、1,000万円以下の住宅は現実問題として不可能なのですが、例えばそれが1,500万円だとしても他のメーカーから見れば脅威。
驚きの低価格であることは間違いありません。
特に発言の責任を問われない場合が多い、ネット上にはそんな噂が飛び交っています。
しかし、、、住宅メーカーの立場になればすぐわかるのですが、欠陥住宅を建てるようなことは絶対にしたくありません。
なぜなら、クレームが来るとその分手間を取られてしまうから。
そんなことで客先に出向いたり、電話対応をしているぐらいなら、次のお客さんを獲得するために動きたいのです。
例えば、携帯電話1本だけで営業しているような怪しい業者ならば、適当な工事をして代金をふんだくって逃げるということも可能。
しかし、都道府県に届け出をして営業所まで構えている以上、カンタンに逃げるということは不可能です。
ならば面倒事は避けたい、クレームが来るような仕事はしたくないのが当たり前なのです。
そして昔とは違い現在は「品確法」が定められています。
ローコストの家とは言え、住宅メーカーがリスクを冒してまで欠陥住宅に取り組むとは、とても考えられないのです。
一般的に、注文住宅に比べると建売物件は安く買えますよね。
なぜなら、デザインや建材、設備があらかじめ決められているから。
選択の自由度が低い分だけ費用は安くなるわけです。(メーカー側の都合で仕入れたものを使っているので、選ぶ自由がない分だけ安くなるということです)
「それなら、タマホームの建売なら1000万円以下で建てられるのでは?」と期待してしまいますよね。
しかし、SUUMOで調べてみたところ、どこのエリアを見ても2,000万円台後半~3,000万円台の価格設定になっていて、1000万円未満で手に入る物件はありませんでした。
例えばこちらは、茨城県水戸市にある「タマタウン東赤塚」の建売物件。
https://suumo.jp/ikkodate/ibaraki/sc_mito/nc_92063611/
地方ですから関東の中心部に比べたら安いのですが、それでもトータルで2000万円越えは避けられません。
しかし、こちらの物件は建売ですが最新のシステムキッチンに魔法瓶浴槽、超節水トイレにエコキュートと、注文住宅に引けを取らない充実っぷり。
こちらでも紹介していますが、タマホームは標準装備のグレードが高いことでも有名なんです。
逆に言えば、注文住宅なら「もう一つランクが下の物でもいいかな」と言えるところが全てメーカーに決められてしまうので、かえって金額も高くなるという側面もありそうです。
これはマンションにも言えることで、「戸建てよりも安いだろう」と思いきや設備のグレードは最初から決まっていたり不要な設備をカットできなかったり、必然的にSECOMのセキュリティシステムがついてきたりと、「削りたくても削れない」「ゆえに購入費用が高くなる」というジレンマついてまわります。
タマホームに限ったことではありませんが、住宅を購入する際には「何を付けられるか」だけではなく「何を自由に削れるか」にも注目してみることが大事ですね。
結果的には、それが費用を抑えるコツだったりします。
大手の住宅メーカーの中では「低価格」で知られるタマホーム。
坪単価の数字だけを見れば1,000万円以下でも家が建てられそうに思われますが、こうして調べてみると実際はもう少し予算が必要のようです。
タマホームでローコストに家を建てたい場合に押さえておきたいポイントをまとめます。
- タマホームが公表している坪単価には、含まれていないものがいろいろとある
- 結果的に、総額は1500万円前後が相場
- それでも他社に比べると十分、安い
- 標準装備の価格が控えめな分、充実させたいところにお金をかけられるのが魅力
- 「何を削れるか」もコストダウンのカギ
あまり必要のない部分にお金がかかっている高い家を買うよりも、自分たちにとってどうでもいい部分は標準仕様にして「本当にこだわりたい部分」にお金をかけた家のほうが愛着も沸くというものでしょう。
タマホームを評価する際には、「結局、1000万円以内では建てられない」という部分にフォーカスするのではなく、「1000万円ちょっとで、家造りへの理想をあれこれ叶えられる」という点を評価すべきではないでしょうか。
注文住宅の総合情報
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