蓄電池の容量と価格で比較するとまだまだコストが高い水準
太陽光発電と蓄電池の組み合わせは魅力的ですが、それで電気代を安くするには容量で4.4kWh、かかるコストで数十万円万。
容量とコストで比較すると、まだ低い水準にあります。
そして大容量になるほどコストは高くなっていくのです。
現在販売されている、家庭用蓄電池の容量は1.2~14.4kWhがほとんど。
一方、自動車に積まれているバッテリーの容量は360Wh。
車載バッテリーにも種類があるので、単純に比較はできませんが、家庭用蓄電池は車用に比べて約3.3~40倍の容量があります。
こう書くとずいぶん大容量に感じますが、1.2kWhの電気量とは、50Wの電球1個はを24時間点灯させられるにすぎません。
1.2kWhの家庭用蓄電池では、太陽光発電などで作った電気を貯めておくには不十分、電気代のコントロールは難しいでしょう。
停電時のバックアップ電源として使用できるぐらいです。
では、節電に役立つぐらいにはどれぐらいの容量が必要かというと4.4kWhは必要。
大容量になるほど蓄電池は高価になりますので、定価で100万円以上するものでないと、ほとんど役に立ちません。
実売価格が定価の6掛けと考えても、なかなかハードルは高そうですね。
停電時のバックアップ用で現在最も容量が低いのはデンソーのPLB-10D、1.0kWhとなっています。
また、節電生活にも役立ちそうな比較的大容量のものは、ニチコンのESS-U1SKの14.4kWh。
このタイプは同タイプの蓄電池を増設することによって、容量を増やすことが可能です。
中にはエリーパワー株式会社の製品のように59.6kWhの大容量を持つものもあります。
しかし、こちらの製品になると定価が1,000万円近くしてしまいますので、さすがに現実的とはいえないでしょう。
メーカーももっぱら産業用と位置づけているようです。
このエリーパワーとはあまり聞きなれないメーカーですが、大和ハウスが大口株主の新興の蓄電池メーカー。
母体は慶応大学の研究室というベンチャー企業で今後、家庭用蓄電池の関心が高まるにつれ、注目を集めるとおもわれます。
以前は4kW程度だったソーラーパネルによる発電ですが、現在は6~8kWの発電規模を持つものも出てきました。
これにより、安価な深夜電力を蓄電し、昼間は太陽光発電を使用することにより割高な昼間電力の使用を抑えることができるのです。
さらにあまった電気は売電できるので、家計にとって比較的プラスにもなります。
しかし、蓄電池にも寿命があり充電を繰り返すことにより、容量が減っていってしまいます。
タイプにもよりますが、寿命は8~13年程度。
この期間に、蓄電池のコストの元が取れるかどうかは微妙な数字。
少しでも環境負荷を減らしたい、そう思う人にとっては家庭用蓄電池の導入は魅力的かもしれません。
一方、家計の負担を少しでも軽くしたいといった人にとっては、容量の問題から導入はすこし先と考えたほうが良いでしょう。
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