電力自由化でアパート住まいでも電力会社を選べるの?
部屋ごとに電気メーターが取り付けられているアパートは電力自由化にともない、好きな電力会社を選べそうです。
しかし、電力自由化が実際おこなわれてみないと、どうなるかは不透明です。
アパートの都合というより、電力会社の都合に左右されそうですが・・・
大口の電力を消費する工場や商業施設での電力自由化はすでになされています。
その量は国内電力の約6割、来年から電力「全面」自由化になるのは残りの4割、小口の電力消費者である一般家庭です。
これにより、誰もが発電した電気を売ることができ、どこからでも電気を買うことができるようになります。
そうなると、自由な競争がすぐにでも起きるかのように思われますが、事情はいささか異なります。
新しくできた電力会社、新電力が現在電気を販売するには、既存の電力会社が所有する設備を利用するしかありません。
そのために払わなくてはいけないのは、高額な施設利用料(託送料)。
このままでは電気料金にその分が上乗せされてしまいますので、競争できないぐらい値段が高くなってしまいます。
託送料が不要になるのは、電力会社の発電部門と送電部門が分離される2018~20年、価格競争が起こるのはそれかれからです。
しかし、それまでに電力自由化に向けた様々な知識を仕込んでおくことはムダにはなりません。
アパートを借りていると、好きなネットのプロバイダと契約できなかったり、CATVを引いたりできなかったりで、色々不便です。
一人の住民のために、アパートの大家さんが自腹を切って、専用の回線や器機の取り付けをするわけがありません。
しかし電気の場合は、いささか事情が違います。
電気代が住民の均等割りのアパートでない限り、個々の部屋に電気メーターが設置してありますね。
新しくできた電力会社と契約すると、電気メーターが新電力の物と交換するだけなので、大家さんの出費は必要ありません。
他の住民の迷惑にもなりませんから、自由に選べる「はず」なのです。
「はず」というのは、まだ実例がないので何ともいえないのですが・・・。
建物の所有権は大家さんにあるので、大家さんの許可がないと、スマートメーターの使用は難しい。
そして、いつまで使ってくれるかわからない契約者に対してスマートメーターを取り付ける工事をしてくれるか不明だからです。
メーターを取り替えるだけで新電力を利用できるようにはなりますが、そのための工事コストはゼロではありません。
それだけの費用を負担してまで、新電力が契約してくれるのかは不明、恐らく「会社による」のではないでしょうか。
分譲マンションの場合は大口の電力消費者にあたるので、すでに電力自由化の対象になっています。
その結果、エレベータやホールなどの共用部分に関しては、新電力と契約しているところも多いようです。
また、デベロッパーが新電力を経営するケースも増えています。
マンションを購入する特典として安い新電力を利用できるようになるのか、住民それぞれが選べるようになるのか。
自由に電力会社を選択できるようになるのが当たり前だと思われるのですが、まだ実例がないので何ともいえないのです。
注文住宅の総合情報
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