製造業が盛んな愛知県に電力自由化がもたらした影響とは?
製造業が盛んな愛知県では電力自由化にともない、新電力を開業したり、利用するために工夫したりと様々な取り組みがおこなわれています。
電力自由化後は愛知県や製造業だけでなく、各家庭でもかしこい電気の利用について考えねばなりません。
愛知県はトヨタを始めとする製造業が盛んな県のため、産業用の電力消費量は年間350kwを超え、全国1位となっています。
製造業にとって電気料金は大きな負担となるため、2000年の電力自由化の初期段階から、各企業の動きは活発です。
例えばトヨタ自動車のグループ企業に電力の小売りをおこなっているのは「トヨタタービンアンドシステム」社。
この会社は、日本卸電力取引所(JEPX)や自家発電を持つグループ内から電気を調達しており、電気料金の削減に成功しています。
トヨタほどの大きな会社だと、このような方法をとることができますが、それより規模の小さい企業ではなかなか難しいのが現状。
そこで愛知県内で利用できる、ダイヤモンドパワー(株)や丸紅、イーレックス(株)などの新電力を利用することになります。
しかし、これらのサービスを利用できるのもまだまだ大きな企業、さらに小さい会社の場合はどの事業者が適当わかりません。
さらに電力の購入量も少ないために、価格交渉力もありません。
そこで愛知県内の建設資材卸のある会社は、中小規模の企業を取りまとめることを開始。
これにより大口の電力需要者と同等の価格交渉力を獲得させました。
新電力を利用しやすいように中小企業を取りまとめるという活動に加え、各社に応じた電気の利用プランも作成。
実際に6%以上、年間75万円という電気代削減にも成功しています。
来年に控える電力の全面自由化の後には、各家庭でも電力会社または新電力の利用を検討することになります。
先述の愛知県の企業では各家庭向けのサービスはおこなっていませんが、これからはこういったサービスが必要になるでしょう。
どのような料金プランが適当か教えてくれるサービス。
このためにはスマートメーターの設置が必須となりますので、まだ先のことになりそうですが。
さて先述の企業でも提案先でよく聞かれる質問は、新しく契約した新電力がトラブルで送電が止まった場合の対応についてだとか。
電力自由化後は家庭でも起こりうることです。
この場合、既存の電力10社が負っている「最終保障義務」が大きな保証になります。
これは新電力による送電が止まった場合にでも電力会社が電気を供給しなければいけないという決まり。
安心して、新電力を利用することができますね。
また新電力を利用するにあたって、メーター設置などの作業が必要になりますが、その費用は新電力持ちなのが現在は一般的。
これを考えるとリスクもコストも全くなしで、新電力を利用できそうです。
電力自由化が楽しみになってきますね。
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