とりあえず電力自由化に乗ってみたイオンのサービスは?
電力自由化にともない異業種からの参入が話題になっています。
流通大手イオンもその一つ、太陽光発電を前面に打ち出しています。
しかし、目新しさは何もナシ「電力自由化があるから乗っておくか」という姿勢しかうかがえません。
イオンならではのサービスを期待したいものです。
日本国内外260以上の企業で成る大手流通グループ、イオン。
ショッピングモールなど郊外型の大型店舗を中心に出店し、小売業界をけん引している存在。
そのグループ企業「イオングリーン電力」は、来年の電力自由化に向けて、多様なサービス価格設定をおこなうとうたっています。
主な動きとして2017年にはメガソーラー発電所を稼働させる一方で、家庭向け太陽光発電、「イオングリーン」を販売しています。
ホームページには詳細な説明もありませんが、太陽光発電をおこなう会社という認識でよさそうです。
さて、太陽光などの再生可能エネルギーを用いた発電は環境負荷が少ないとされているので、非常に良いイメージがあります。
国としてCO2の削減目標もありますから、設置時には補助金、発電された余剰分は電気を買い取ることで普及を促進。
しかし補助金は税金が原資ですし、売電分は電気利用者がそれぞれ負担している金額が原資です。
太陽光発電が普及するのにはよいのでしょうが、その過程には非常にいびつなものを感じます。
また、太陽光や風力などの自然エネルギーが順調に広まりを見せた場合、今度はその不安定さがネックになります。
天気が悪くて日照時間が短い、風が弱い、こんな理由で、電源が不足する事態が発生するのです。
従来の電源ならば、供給元を複数の国や地域にするなど対策の立てようがありました。
しかし相手は自然、対策の立てようがないのです。
また、太陽光や風力の発電所は密度が大変薄いという弱点もあります。
設置するのに必要な面積で他の電源を比較した場合、あまりにも効率が悪すぎるのです。
原子力発電所1カ所で発電できる量は200万kw、対して家庭用太陽光パネルは0.25kw、800万枚ならべて初めて相当します。
パネルの面積は1.2平方mですから800万倍の9.6平方km、東京ドーム740個分の面積が必要なのです。
山がちの日本、そんな土地はどこにあるのでしょうか。
自然エネルギーは魅力的ではあります。
しかし、この様にクリアされるべき問題点は非常に多いのです。
電力自由化に向けて、イオンは太陽光発電を販売することをメインに考えている。
イオングリーン電力のホームページから伝わるメッセージはこれだけでした。
流通の大手として、消費者に一番近い位置にいるイオンなのに提供予定のサービスやアイデアに新しさは一切ありません。
「商売になる」から参入するのでしょうし勝算もあるのでしょうが、これではイオンの植樹運動、イメージアップの一環と大差なく見えます。
イオンには流通大手だからこそできることを期待したいのですが。
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