ガスの自由化に、乗り遅れる形のプロパンガス
来年の春からのガスの自由化はプロパンガス業界にとって、あまりいい話ではありません。
ガスの自由化の恩恵が見込めるのは都市ガスのみ、プロパンガスは置いて行かれた形になります。
電力に参入するなど色々な試みはしているのですが、、、。
プロパンガスは値段が高いということもあり、どうも旗色があまり良くありません。
近年は特にオール電化住宅が流行っており、ガス自体の存在価値が薄くなりつつあります。
これに加えて、ガスの自由化がおこなわれ都市ガスの値段が下がるとなると、プロパンガスはますます割高な存在になるはず。
しかし都市ガスが供給されるインフラは、現在全国すみずみまで整えられているわけではありません。
ならば、どうなるか?
プロパンガスしか利用できない地域は、オール電化へ切り替える、都市ガスの供給範囲は自由化の恩恵を受ける。
このままいくと、プロパンガスは滅びてしまうのではないでしょうか?
なんだか不利な状況しかありませんが、その一方でプロパンガスにしかないメリットもあるのです。
まず第一に火力が強いというところ。
これは都市ガスやオール電化ではどうしても勝てないプロパンガスのメリット。
中華料理店で良く用いられている、足で火力を調節できるようなコンロはプロパンガス以外に考えられない。
プロの料理人はそういいます。
加えてガス管などを通じて家まで供給されているわけではありません。
家のすぐそばにボンベを添え付けて、そこからプロパンガスは供給されます。
つまり、災害時にガス管がダメージを受けた場合でもプロパンガスは何ら問題なく使用することができます。
災害などの影響を受けにくいエネルギー、これは大きなメリットです。
加えて、現在プロパンガスを利用している世帯は2,400万といわれており、都市ガスの2,900万とそう変わりません。
それだけ幅広い地域にサービスを供給しているというのもプロパンガスの大きな強み。
この分がすべて他のエネルギーに代替されるとは、少し考えられません。
加えて、都市ガスの小売り自由化をにらんで、「アストモスエネルギー」は電力の小売りを開始しました。
アストモスエネルギーはプロパンガスの供給の約20%を握る最大手の企業、出光興産と三菱商事が設立。
プロパンガスと自前の電力をセットで販売し出したのは今年の2月、まずは大口の顧客である企業を中心に営業を開始しています。
加えて、燃料電池の発電ユニット「エネファーム」は非常に効率の良いシステム。
こちらはガスで電気も補えてしまいまうので、電気代の削減にも役立ちます。
加えて、災害に強いというプロパンガスのメリットもそのまま生きてきますから頼もしい限りです。
このままプロパンガスが滅びる、こんなことはちょっと考えられませんが、今後大きな局面に立たされることは間違いなさそうです。
それが、消費者にメリットがあるのならば、大歓迎なのですが、、、。
注文住宅の総合情報
スポンサーリンク
同じカテゴリの記事
- 2017年のガス小売り完全自由化に向けて、今一つ盛り上がらない原因は?
- ガスの自由化で、ますます立場が苦しくなるLPガスですが…
- ガスの自由化によって及ぼされる影響は?
- ガス自由化による参入企業は限られている?
- ガス自由化に対し自身からは仕掛けない東京ガス
- ガスの完全自由化はいつから始まる?来年の予定ですが、、、
- ガスの自由化の恩恵はアパートでも基本的には受けられるハズ!
- アクセンチュアがガス自由化へ参入企業のサポートを発表
- ガス自由化に向けて、大阪ガスの動きは静かですが
- ガスの自由化で料金が安くならない、その課題をクリアするには
- ガスの自由化に限れば、ソフトバンクの動きはないものの
- ガスの自由化を前にエネルギー会社へと変貌を狙うニチガス
- ガスの自由化で起こることはマンションでも変わらない
- ガスの自由化による一番のデメリットはメリットがない地域がある点
- ガスの自由化が始まっても安くなる可能性がない場合は?
- ガスの自由化で各家庭の選択肢は思ったより少ない
- ガスの自由化で新たな工事はメーターの交換ぐらい?
- ガス単独で自由化の恩恵を比較することは難しい?
- ガスの自由化・小口顧客でもシェア拡大を狙う東京電力
- ガス自由化の仕組みはあっけないほど簡単!
- 賃貸住宅に住む人も都市ガスの自由化の恩恵にはあずかれます
- 自由化に向けてガスにとどまらない企業を目指す東邦ガス
- ガスの自由化で都市ガスの値段は上がるだけだった?
- ガスの自由化によって将来的に問題になりそうなこと