ガスの自由化で新たな工事はメーターの交換ぐらい?
ガスの自由化で大きな工事は不要ですが、既存の設備の使用料を、新規参入するガス会社は払わなくてはいけません。
ですから、自由化だからすぐ値段が下がると考えるのは早計なのかもしれません。
電気の自由化が始まりましたが、市場は盛り上がりに欠けるとか、スマートメータが充分に用意できていないとか、、、。
何だかさびしい限りです。
基本的なところから説明が必要ですし、何だか難しそう、、、と思考停止におちいりなにもせずに終わっていきそうです。
まず電気の時床の場合、電線は従来契約していた、電気会社が所有する既存のものを使います。
新規参入する電力会社は、既存の電線の使用料(託送料金)を払うことによって、自社の電力を流通させるのです。
ですから、新たに工事は必要ありません。
する工事といえば、電気メーターを交換するだけ、費用も全くかからないのです。
さて、ガスの自由化においても同じことがいえます。
新たに契約したガス会社が、自分の家までガス管を通す工事をするわけではなく、既存のガス管を託送料金を払って利用する。
新規参入のガス会社がする工事は、ガスの供給管に自社からガス管をつなげる工事だけ。
各家庭においての工事はほとんど必要ないのです。
必要な工事といってもガスメーターを取り換えるだけ、工事費用もメーター代もガス会社持ち。
消費者側が負担すべき費用はまったくないのです。
さて、新規参入の電力会社やガス会社は各家庭まで電線やガス管を引く必要がないものの託送料金を払う必要があります。
更に、新しいメーターを用意し取り付け工事をする費用も負担する。
この料金+電気やガスの原価+利益が新たに各家庭が支払う電気料金やガス料金なのです。
、、、これって割高になるのではないか?
そこで他のエネルギー分野もあわせて自社に取り込むことで、供給側にも消費する側にもメリットがあるようにしようとしている。
それが、現状のセット料金ということになります。
加えて、他社が参入することにより競争原理が働くので、電力やガスの料金も下がるだろうというのが理想なのです。
しかし、別の項目でも書いたとおりガスの新規参入には高いハードルがあります。
すでにガスの供給能力を持っている会社ぐらいしか参入できないのです。
だから、ガスの値段は思ったより下がらないかもしれません。
現に先行してガスの自由化がおこなわれた欧米では料金が下がらないばかりか上がったという例もあるのです。
自由化=料金の値下げ、単純にこのようにはいきそうにもありません。
何のための自由化なのか、面倒になっただけではないか?そんなことにはならないように祈りましょう。
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