ガス自由化に対し自身からは仕掛けない東京ガス
誰もが知る巨大企業、ガス自由化に向けたスタンスは非常に落ち着いたもの。
反面、電力自由化への対応は、強い攻めの姿勢を感じます。
ガス自由化にはゆったりと構える東京ガス、小売だけでなく元売も牛耳っているからこそでしょう。
営業エリアは関東1都6県という人口密集地、ガス導管の総延長は6万キロ。
世界最大規模、国内なら文句なし最大手の一般ガス事業者というと「東京ガス」です。
歴史は、日本で始めてガス燈が点灯した1872年までさかのぼり、資本金は実に1418億円、総資産は連結で2兆円超。
文句なし日本を代表する大企業です。
これだけ大企業ならば、本業のガス販売のみでドンと構えていればよいのかと思いますが、実は大いに違います。
非常に細やかかつ大胆な企業運営をおこなっているのです。
例えばLNGの導入をアメリカや中東、東南アジア、オーストラリアと世界中からおこなっているのは為替リスクを考えてのこと。
エネファームの開発・普及にも非常に大きな力を発揮しましたし、太陽熱温水システムといったエコ関連の事業にもぬかりなし。
近年流行のバイオガスといったものにもきっちり進出しています。
しかし、ガス自由化に向けた東京ガスのコメントに目を通していると、ドンと構えたスタンスが見えてきます。
都市ガスの新規参入企業が、東京ガスより安価な料金で顧客獲得を狙うならば、対抗処置として値下げをせざるを得ない。
としながら、他業種との提携などにより総合的な負荷価値やサービスを提供したい。
とのこと、これは都市ガスの事業に参入する障壁の高さを知り尽くしているが上のコメントでしょう。
というのは、関東一円でガスを販売している事業者のほぼすべてに供給しているのが、東京ガス。
そんな関係の事業者が値下げをしてきたならば、値下げで対抗できないわけがない。
巨大企業ならではの余裕のスタンスを感じますね。
ドンと構えているだけでなく、攻めの姿勢を感じるのは、東京ガスの電力の分野、電力の自由化への対応です。
すでに、発電事業や新電力への電力の卸売りをおこなっている東京ガス。
しかし、電力販売量を現在の100億kwから3倍まで増やして、2020年までには首都圏での需要の1割を目指すとしています。
このために発電所を新設したり、他社から電力を購入するという方針だといいますから、ものすごく攻めている印象です。
- すでにできているガスでの顧客との関係強化
- 電力とガスでのセット料金の打ち出し
など色々仕掛けてくるでしょう。
電力は攻めで、ガスは守りで、、、東京ガスの姿勢はこういったところでしょうか。
2つのジャンルで大きな存在感を発揮する東京ガスならではの今後の展開は実に楽しみです。
消費者のメリットがどうなるか、、、そこが多少心配ではありますが。
注文住宅の総合情報
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