ガスの自由化を前にエネルギー会社へと変貌を狙うニチガス
都市ガス自由化のずっと前から、自由競争の環境下にあったLPガス、その大手企業ニチガスは更なるシェアの拡大と、電力会社との有利な提携を模索しています。
これはニチガスだけの作戦ではなく、多くのガス会社が自由化を前におこなっていることですが。
平成14年にLPガスの事業者は2万7千もありましたが、それが現在2万弱まで数が減ってしまいました。
LPガスに依存している地域の世帯数が減っていると考えることもできますし、オール電化が普及したと考えることもできます。
また力の弱い事業者が統廃合されていった結果とみることもできるでしょう。
ガスや電力の自由化が話題になっていますが、そもそもLPガスは始めから自由競争の環境下にあります。
私たちは全国2万あるLPガスの事業者を自由に選ぶことができるのです。
地域によって、特定の会社の供給管しか通っておらず、事業者を選ぶことができない(できなかった)都市ガスとは違うのです。
ですから、私たちが知らないだけで、LPガスは、自由化以前から激しい競争下にあります。
そんな環境で生き残り、LPガス業界大手まで成長したのが日本瓦斯、通称「ニチガス」。
1,500人いるという全従業員のうち営業担当が2/3を占めるという、いわばイケイケの会社です。
ガスの自由化を目前に控え、LPガスの雄、ニチガスはどのような作戦を考えているのでしょうか?
ニチガスはLPガスの販売だけでなく、都市ガスの販売も手掛けています。
現在の顧客数は関東を中心にLPガスで70万件、都市ガスで40万件、それぞれ関東で10%と3%というシェアです。
現在でも結構なもののように感じますが、ニチガスが狙うのは更なるシェアの向上。
これにより電力会社と有利な条件で提携をおこない、魅力のある電力とガスのセット料金を提案していこうというのです。
現在、静岡の中堅LPガス販売のアクアクララレモンガスと事業統合をおこなっているのもその動きでしょう。
ニチガスの主な競争相手は、関東で1,100万件の顧客を持ち80%のシェアを持つ東京ガスです。
いかにそのシェアを奪っていくかが、ニチガスのこれからの成長・生き残りのカギとなります。
そのためには単なるガス会社からエネルギー全てを任せられる会社への脱皮が必要。
だから、ニチガスだけでなく各ガス会社がガス自由化の時代をにらんで、電力会社と提携をすすめたりしているのです。
外から見ている分には面白い動きが起こってはいます。
しかし、、、消費者の立場からすると、そんなことはどうでもいい話、気になるのは唯一価格がどうなるか?だけ。
いたずらに複雑な料金体系を作り上げた結果、よくわからないまま高額なガス料金を払い続けているような事態だけは避けたいもの。
インターネットのプロバイダならばソフトバンクがそうだったように、シンプルな価格破壊者が出てくればわかりやすいのですが。
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