自由化に向けてガスにとどまらない企業を目指す東邦ガス
ガス自由化に向けて、中部電力が積極的な姿勢を示しました。
それを受ける形の東邦ガスは電気の販売に注力しています。
巨大企業東邦ガスの、ガス自由化に向けた作戦は総合エネルギー企業への脱皮と顧客の囲い込みなのです。
他のエリアの住人にはピンときませんが、愛知や岐阜、三重に住む人にとって東邦ガスは非常に身近な存在。
そして東京ガスや大阪ガスと並ぶ、日本4大都市ガスの1つ、中部圏を代表する巨大企業。
東邦ガスに就職が決まれば一生安泰、そんなことをずっと言われてきました。
そんな東邦ガスですが、ガスの自由化に向けて何か作戦はあるのでしょうか?
まず東邦ガスが取っているのは単なるガス供給会社から、エネルギーを総合的に扱う会社へのイメージの転換。
「ガスも電気も、エネルギーのことなら東邦ガスグループにおまかせ!」の文字をホームページにでかでかと掲示。
まずは先に始まった電力の自由化に対応することによって、顧客を囲い込もうとする作戦です。
ガスと電気のセット料金によるお得感、支払いの一本化による利便性、これらを提案するサービス力をアピールしています。
「電気料金おトクシミュレーション」のページも特設し、東邦ガスならどの程度安くなるかをPR中。
マゼンタ100%色をした電力販売キャラクター「アンベア」君も電卓片手に必死に訴えています。
ガスだけ売ってればいいのになあ、そんな風に考えがちですが、東邦ガスはガスの自由化を前に地盤を固めなくてはなりません。
強力なライバル、中部電力がいるからです。
すでにおこなわれている、大口顧客を対象としたガスの自由化では東京電力が非常に活発な動きで成果を上げました。
そんな東電と関東圏で熾烈な電力シェア争いをしている中部電力は、ガスの自由化においては消極的とされていました。
しかし昨年の10月、ライバル東電にならったのか「電気とガスのワンストップ販売に、しっかり応えていきたい」と社長が発言。
一般家庭向けガスの自由化に参入する構えを見せたので、東邦ガスもどーんと構えているわけにはいかなくなったのです。
電力会社ならば発電用の燃料だった分を、ガスの供給管に接続するだけで、ガスの自由化に参入できます。
しかし東邦ガスのような会社は、ガスの供給範囲を拡大するといっても、そうそうできるものではありません。
どんなジャンルでもそうでしょうが、新規参入する後発の側の方が有利なのです。
そうなると、東邦ガスの生き残り策としてはやはり電気に注力し、顧客を囲い込むというのが唯一といえるでしょう。
従来から推し進める、ガスエンジンによる家庭用発電システム、エコウィルやエネファームの増販もしなければなりません。
まあ、そこあたりの競争なんぞ本来はどうでもいいのです、消費者が求めているのは現状の改善だけなのですから。
アンベア君も過労死しない程度にがんばってほしいですね。
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