ガス自由化による参入企業は限られている?
ガスの自由化を受けて参入する企業は、条件が限られており電力の自由化とは訳が違います。
しかし参入企業があることで、硬直化したガス業界が刺激を受けるのは確かなはず。
大きなインパクトと盛大な競争を期待したいですね。
一説によると700社以上!これは、電力小売の完全自由化を受けて新規参入する「新電力」と呼ばれる企業の数。
太陽光はともかく小型タービン、バイオマス発電、、、タービンを回しさえすれば電気はできます。
こう考えると、発電への参入企業にとって壁は比較的低いといえるでしょう、最近では太陽光発電パネルも安くなりました。
しかし、そうはいかないのがガス。
液化天然ガスを事業化するには
- 巨大なガスタンカー、
- 輸入基地
が必要になります。
実際そのような設備を現在保有しているのは大手の都市ガス会社や電力会社、石油会社のみ。
豊富な資金力を持つ巨大企業ばかりなのです。
ですから、参入企業のハードルはとてつもなく高いものなのです。
では自由化で参入企業が見込めないならば、価格競争が発生しないから、消費者にとってメリットがないではないか?
と、考えがちですが実際のところはそうではありません。
例えば、すでに施設を持っている電力会社がガス発電に回していた分を、小売りに回す可能性が出てくるのです。
面白いのはこのことで、公営都市ガスが大きな危機感を持っていること。
電力会社が安い価格で参入してきた場合、もしくは電力自由化とあわせて、お得なセットプランを出してきた場合。
公営の都市ガスはすぐに値下げなどで対応しづらいという事情があるのです。
なぜなら、ガス料金の変更には議会が承認しないといけないから。
議会の承認には数カ月かかる場合もある、、、つまり、素早い対応ができないのです。
これに危機感を覚えた仙台市ではガス局を民営化する方向で検討しているといいます。
さて、ガスに対する新規参入企業のハードルは高いと先ほど述べましたし、実際、新規参入企業の約半数はガスをあつかう電力会社。
しかし小規模ながら、国産天然ガスの会社などの企業も新規参入しています。
また、プロパンガスの会社も大規模化をおこない都市ガスに参入しようという動きもあります。
巨大な新規参入企業は考えにくいものの、硬直化した公営都市ガスに刺激を与える動きとしては充分ではないでしょうか。
人口の減少傾向が続く日本、家庭の数がこれから右肩上がりになることは考えられません。
ですから2018年のガスの自由化に向けて活発な動きをする企業は考えられないという、ネガティブな意見も耳にしますが、、、。
いずれにせよガスの自由化により、起こるであろう動きから目が離せないことは間違いありません。
注文住宅の総合情報
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