2階リビング、これ実は非常に使える間取りです。2階にリビングを持ってくる1番の理由は、建ぺい率や容積率を考慮しなくてはいけないから。

 

建ぺい率とは敷地における建物の占める割合のことですし、容積率とは敷地における建物の総床面積の割合。

 

これらは、建築基準法によって定められており、土地の条件によって様々です。

 

たとえば、土地が狭いけど、車を屋根つきのガレージに入れたい場合。

 

屋根つきのカーポートを造ってしまうと、建物と見なされてしまいます。

 

家とカーポートで敷地のほぼすべてを占めてしまうと、土地いっぱいの建物と見なされ、定められた建ぺい率を上回ってしまいます。

 

そこで、1階をガレージのスペースしなくてはいけなくなります。

 

すると、2階にリビングを持ってきた方が、広いスペースが取れてよい、となるのです。

 

広いだけではなく、実際2階リビングは快適です。

 

建築の専門家が間取りを考えるときに重要視するのは「採光」、「通気」、「動線」の3つ。

 

そのうち採光と通気に関しては2階の方がずっと快適。

 

高い位置にある方が、日当たりと風通しが良くなるのは当然ですし、住宅密集地ならなおさらです。

 

快適な場所に、家族が集まるスペースを取るというのは理にかなった考え方です。

 

さらに外からのぞかれにくいという、プライバシーから考えても、2階リビングのメリットがあります。

 

ところが3番目の重要な点である「動線」が良くありません。

 

買い物から帰ってきて、重い荷物を2階へ上げなくてはならない。

 

毎日ゴミをもって1階へ降りなければならない。

 

洗濯機は1階にあるけど、物干しスペースは2階にあるというのは、考え物です。

 

1階の間取り次第ですが、日に何度も階段を上下する必要がある。今はいいかもしれませんが、数10年後も考えなくてはいけないのが住宅なのです。

 

したがって、傾斜のゆるやかな階段にするなどの工夫に加えて、1階の間取りをどうするかは非常に重要な問題になります。

 

 

義父母と同居の場合、ホームエレベータの設置も視野に入れる必要があります。

 

悪い動線を少しでも良くするための工夫が必要ですね。

 

また、2階で生活していると1階で何が起こっているかわかりづらいので、防犯上心配になります。

 

ホームセキュリティへの加入や、1階の窓を小さくすることを検討した方がよいかもしれません。

 

また、すぐに1階の様子がうかがえるように、吹き抜けにするのも良いアイデアです。

 

そして、2階の日当たりがよい分、夏場は暑くなり、リビングと併設されるキッチンでの食品の保存の不安が多少あります。

 

地下収納も期待できないので、大きな冷蔵庫やストック用の保冷庫を検討する必要があります。

 

漠然と2階リビングがいいなではなく、家族の生活を将来にわたって考えた上で、間取りを作っていくことが大切です。