洋風の生活スタイルが中心の現在でも、リビングの隣に和室を配置している間取りを多く見かけます。
しかし、日常生活の中ではあまり活用されていないのではないでしょうか。
このような場合、リフォームで和室を有効に活用出来る居住空間とするにはどのような方法があるかを考えてみましょう。
まず、リビングを拡げることや繋がりを最優先するのであれば、間仕切り建具を撤去しワンルーム化すれば比較的低コストで実現することができます。
一方、和室の良さを残しながらリビングとの繋がりを良くする場合には、間仕切り建具を全開口にできる引き込みタイプに変更し、タタミは洋室のフロア材とも馴染みやすいタタミ縁のない琉球タタミなどに変更しましょう。
また、壁・天井はリビングのイメージと合いやすいクロスに変更し、床の間がある場合は収納やモダンなデザインの飾り棚に改装することで、和室とリビング側が視覚的にも繋がりやすい空間とすることが出来ます。
和室が減り洋風の住宅が主流を占める中で、リフォームを機会に一部に和風テイストを取り入れると、アクセントにもなり新鮮なイメージにもなります。
例えば、和紙の壁紙を壁あるいは天井に貼り、カーテンを木製ブラインドや葦のロールスクリーンに変えることで和風テイストとなり有機的な空間を造ることが出来ます。
また、最近のクロスはプリント技術の向上などとも合わせて、少し離れて見ると本物にしか見えないものがあり、天井に網代柄のクロスを貼るのも有効なものでしょう。
また、スギやヒノキの薄い板を貼った付け柱や隅柱用の建材もあり、置敷きのタタミを一部に利用すれば容易に和風イメージをつくることも可能です。
このように、洋風の使い勝手はそのままに、和風テイストとすることは難しいことではありませんが、純和風を目指すのではなく、和風モダンとすることが新鮮で趣きのある空間になると思います。
和室から洋室にリフォームする際には、化粧柱が見えている和室の真壁とタタミを撤去後の床をどのようにするかがポイントになります。
真壁を洋壁(大壁)にするには、柱の上に下地材(胴縁)を取付けてプラスターボードを貼り、そしてクロスとするのが一般的ですが、壁が3cmほど厚くなり反対側の壁も含めて6cmほど室内が狭くなります。
床では、タタミ厚(55mm前後)とフロア材との厚み(12mm〜15mm)との差40mmほどを調整する必要があり、他の洋室と床高さを合わせるには、下地から調整する必要があります。
さらに、既存のリビングなどとワンルーム化する時には、床の色合わせにも問題があります。
一般的に各建材メーカーは同じ商品を何年も継続して生産していることはなく、一定期間でリファインされるため、既存のリビングの床と同じ色・柄で貼り替えることはほとんどできません。
そのための解決策として、既存の床と新設部分との境目に入れる見切りは出来るだけ小さく、新設のフロア材は柄よりも色合いを合わせることを優先することを勧めます。
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