個人が行うマンションのリフォームは、専有部分、つまり室内に限られていますから戸建住宅に比べて、比較的相場観が付きやすいと言えます。
マンションの専有部分とは、室内の仕上げ部分と設備部分で、バルコニーは専用部分で使用を許可されていますが個人でリフォームすることは一般的に許されていません。
また、玄関ドアも共用部分が含まれていますから、勝手に取り替えることができません。
なお、古いマンションでは外壁の断熱や床の遮音・防振が十分でないこともありますが、その場合は室内の専有部分ですからリフォームで改善することができます。
いずれにしても、マンションの標準的なリフレッシュ・リフォームであれば、住設備費+クロス等の内装費+既存部の撤去・処分が主なものとなりますのでおおよその検討がつきます。
例えば、設備機器の取替えとクロスの貼替えであれば、既存クロスの撤去から貼替えまでを約2,000円/m2前後で算出し、既存設備の撤去から新設までの費用を設備機器の定価とし、さらに合計額を20%ほどプラスすればおよその相場になると思います。
マンションの居住者が、個人で行うリフォームで補助金を受けられるものにはエコリフォームがあり、限度額30万円の範囲とされています。
また、そのリフォーム内容には、内窓の設置やペアガラスなどの断熱改修や設備エコ改修があり、それらと合わせて行うバリアフリー改修、リフォーム瑕疵保険の加入があります。
なお、設備エコ改修とするには、節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率の給湯器、節湯水栓の中から3つ以上の改修を行う必要があり、2つ以下の改修の場合は、上に挙げた断熱改修と合わせて行う場合に適用となります。
このエコリフォームの補助金は、住宅ストック循環支援事業に登録しているリフォーム業者の申請で登録業者に支給され、ユーザーに還元される仕組みとなっています。
従って、エコリフォームによる補助金のメリットを受けるためには、上記の登録業者に依頼することが必要となります。
比較的新しいマンションと古いマンションとでは、優先すべきリフォーム内容と費用の掛け方が異なります。
比較的新しい、具体的には1999年(省エネ基準改正年)以降に設計されたマンションでは、断熱基準が現在のものとほとんど変わりませんので断熱改修リフォームは必要ありませんが、それ以前のものでは断熱改修を優先するべきでしょう。
また、古いマンションの場合は、床の防音や防振が十分でないことが多いため、特に小さな子どもがいる場合には注意しておきたいものです。
このように、比較的新しいマンションの場合は、リフレッシュや機能の向上に費用の100%を配分することができますが、古いマンションでは断熱などの基本性能の確保に費用配分することが必要です。
なお、マンションのリフォームで、その範囲が全体に渡る時には、躯体が見えるスケルトン状態にまで戻して行うリノベーションが、結果的にはコストパフォーマンスが高く満足度の高いものとなります。
中古マンションのリフォームで注意する点には、外壁などの共用部分と室内の専有部分があります。
躯体構造や外壁などの共用部分では、大規模修繕が定期的に行うことが必要ですが、個人がリフォームを行える部分ではないため、ある意味では管理組合任せとなります。
しかし、個人で行う室内のリフォームでは、古いマンションに多い外壁の断熱不足や床の防音・防振対策の必要性の有無を確認しておくことが重要です。
なお、それらの改修工事が広範囲に渡る時には、思い切って室内をスケルトン状態にまで戻し、電気配線や給排水管のチェック、さらには給排水管の接続状況なども確認することが出来ます。
一般的にシステムキッチンやユニットバスなどの水回り設備の位置変更は難しいものですが、スケルトン状態にまで戻すと、それらの位置変更の可否も確認することが出来ます。
このように、中古マンションをリフォームする際には、断熱や防音・防振などの基本性能を確保すること、そしてリフォーム範囲が広がる場合には、スケルトンからのリノベーションも検討してみることを勧めます。
注文住宅の総合情報
スポンサーリンク
同じカテゴリの記事
- リフォームの見積り金額の内訳と相場
- エコリフォームと良質な中古住宅の購入における補助金
- リフォームした時は確定申告を忘れずに行うこと
- リフォームデザインする時の参考と注意点
- 壁のリフレッシュリフォームをDIYでチャレンジ
- 助成金がもらえる介護リフォームってどんなリフォーム?
- 融資を受けるには?介護リフォームを安全で安く施工したい
- どんな業者なら介護のリフォームを任せられるのか
- 介護のリフォーム事例を見て勉強してみよう!
- 車椅子の要介護者のためにリフォームをするなら気を付けたい点
- 要介護者の寝室は1階になるようリフォームしよう
- お風呂の介護リフォームにはこんなにも工夫がたくさんある
- 階段の昇り降りを楽にするための介護リフォーム
- 「介護」のリフォームに詳しい会社選びが大切
- 介護リフォームは医療費控除に含まれない?
- 10年先を見据えたパナソニックの介護リフォーム
- 介護リフォームをするのに特別な資格は必要?
- マンションでも介護リフォームはできるのか
- リフォームし、エレベーターを介護のためにつけると数百万円
- 自宅で介護をするならリフォームをしておこう!
- DIYでリフォームを行う時の注意と準備
- 室内ドアのリフォームと注意点
- リフォーム時に必要な税金と税金控除
- リフォームの増築が10m2を超える時は注意が必要
- リフォームのローン控除は年末調整か確定申告で受けられる
- リフォームをローンで計画する時に知っておくこと
- リフォームで和室を和風モダンや洋風に変更する時のポイント
- リフォームで床の色を変更する際の注意点は?
- 本格的なリフォームでは事前の住宅診断費も予算に組んでおこう
- マンションのリフォーム予算が500万円ならどこまで出来る?
- リフォーム予算が1000万円なら何でもできる
- 2階のリフォームでは搬出・搬入経路と養生に注意
- 床のリフォームをするなら断熱や吸音・防音も忘れずに
- 無料リフォームってどうなってるの?
- 窓のリフォームはカバー工法がお勧め!窓枠と窓サイズ変更は可能?
- リフォームの見積り項目と平米単価
- リフォームのポイントは耐久性能と省エネ性能
- ペット好きに勧められるリフォームって?
- 室内リフォームにペンキを利用してイメージチェンジ
- リフォームでシングルガラスからペアガラスにする方法
- リフォームのプランはキーワードやコンセプトを明確に
- リフォーム会社の分類と特長
- 防音リフォームの前に遮音と吸音の性質を知っておこう
- 屋根を定期的に塗装リフォームすることの重要性
- リフォーム業者は大手と地域業者のどちらを選ぶか
- リフォームサイトの何を参考にすればいいか
- 店舗と住宅のリフォームは基本が違う
- リフォームで塗り壁を勧める理由
- 水回りのリフォームはまとめて行うのがお得
- リフォームはある程度まとめて行う方がお値段がお得になる
- リフォーム目的に合わせた会社選び
- リフォームの請負契約書は必要か
- リフォームでピアノ室を造るために必要なもの
- ホームセンターでリフォームのヒントやアイディアをつかもう
- どのようなリフォームでも保証は付くか?
- リフォーム価格に含まれるマージンと経費
- リフォームの相談はどこにすればいいか。
- リフォームで収納を見直してみる
- リフォームでクローゼットを造る時のサイズについて
- リフォームで部屋の間仕切りを撤去する時の注意
- 外壁を塗装リフォームする時は目地シーリングとセットで行うこと
- リフォームで外壁サイディングを選ぶ時の注意
- リフォーム業者と下請け業者
- リフォームの業者選びでランキングは参考になるか
- リフォームに必要な工事期間
- 建築確認申請が必要な10m2を超える増築リフォーム
- リフォームの見積もりで確認しておくこと
- リフォームで坪単価表示の意味
- 戸建て住宅のメンテナンスとリフォームの関係
- リフォームで起きやすい追加費用トラブル
- ショールームのイメージをリフォームで再現するのは難しい
- リフォームで失敗しやすいこと
- 中古住宅の耐震性をリフォームで向上させるために必要なこと
- 風呂のリフォームは構造材や断熱材を見るチャンス
- リフォームのアイディアは家具や雑貨小物からでも得られる
- リフォームの進め方で注意すること
- リフォームとは、そしてリノベーションとは
- リフォームのやり方で変わるコストパフォーマンス
- リフォーム工事中の疑問をクレームにしないために
- 複合ビルをリフォームする場合に建築確認申請が必要な例
- 自分で行うリフォームは楽しみながら
- リフォームで出窓を新設する時の注意点
- リフォームで新築同様とするために有効なこと
- リフォームでミニキッチンを2階に増設
- リフォーム時にニッチ棚の採用でおしゃれな壁を作る
- 階段のリフォームは安全が最優先
- リフォームにおける助成金とは?
- リフォームでサンルームを造る時にひと工夫
- リフォームする前に知っておきたい基礎知識
- リフォームで基礎補強する前には耐震診断が必要
- ハウスメーカーの住宅をリフォームする場合
- リフォームでの多機能クロスの活用について
- リフォームに必要な諸費用
- リフォームの見積比較で必要なこと
- 台所のリフォームで考えておくこと
- リフォーム設計は住宅の長期利用を前提に考えよう
- リフォームで二世帯住宅とする時に必要なもの
- リフォームで余った材料の活かし方
- リフォーム料金は既存部分の状況で大きく変わる
- リフォームとリノベーションの費用とコストパフォーマンス
- リフォームの口コミは信用できるか
- 外観のリフォームで家全体をイメージチェンジする方法
- 激安リフォームは本当にお得?無金利・無担保ローンも徹底検証
- 内装リフォームなら、クロス壁に塗装するリフォーム方法がお手軽
- リフォームするならハウスクリーニングも?ゴミとペット臭の解決法
- リフォーム成功のノウハウは、建材選びと柱の交換にあった?
- リフォームの悩みはメリットとデメリットを検討して無料相談へ!
- リフォームで間取り変更する際の注意点
- 浴室のリフォームは洗面・脱衣所とセットで!おすすめのバスタブは?
- リフォームで扉を替えたい!引き戸にする際の注意点
- リフォームにおけるフラット35の利用は住宅の取得が条件
- リフォームで減税を受けるには?