現在の住宅の壁・天井の仕上げはクロスがほとんどですが、リフォーム時には、少し高価ですが塗り壁を復活させても良いのではないでしょうか。
クロス壁には、施工のしやすさやコストが安いこと、そして貼替えが楽なことがあり、仕上げとしては非常に便利なものですが、空間イメージの新鮮味に欠けます。
かつての塗り壁は、土壁や砂壁、そして聚楽壁が主なもので、コストやスピードが優先され次第にクロス壁が主流になりました。
しかし、塗り壁には落ち着いた雰囲気と重厚感があり、塗り壁材料の性能が向上した現在では見直されるようになってきています。
また塗り壁には、上記の他に珪藻土や漆喰があり、左官職人による味わいのある仕上げにすることもできます。
さらに、塗り壁には調湿機能と共にホルムアルデヒドなどの有害な化学物質を吸着・無害化、臭いの吸着・分解する機能が備わっているものもあります。
いずれにしても、リフォームする際には、クロス一辺倒ではなく、空間にアクセントをつけてくれる塗り壁を一部にでも利用することを勧めます。
塗り壁の魅力が見直され、内装リフォームでも少しずつ採用されるようになってきていますが、クロスに比べれば圧倒的に費用が掛かるのは間違いのないところでしょう。
標準的なクロスが、既存クロスの撤去を含めて1,800円/m2前後に対して、塗り壁では既存クロスの撤去・下地処理を含めると5,000円/m2ほどになります。
ただし、塗り壁の単価を上記のように示すのは非常に勇気のいることで、塗り壁の材質や既存の下地処理の程度、さらには左官職人の技能差による価格差が大きく、10,000円/m2ほどになるのも珍しくありません。
従って、リフォームで塗り壁にする際には、事前に予算の限度を決めておくこと、そして、どの壁を塗り壁とすれば有効となるかを決めておくと共に、見積を取ることが重要です。
なお、現在の塗り壁は、ひび割れに対しても改善され、耐久性能はクロスよりも高いため、有効に活用すれば費用対効果の高いリフォームとなります
リフォームでクロスの貼替えの原因には、汚れ・黄ばみ、剥離・破れ、そしてイメージの刷新などがありますが、水はねなどで汚れやすい台所や洗面などでは、やはり塗り壁より貼替えが楽な壁紙(クロス)の方が適しているでしょう。
しかし、リビングなどの部屋では塗り壁の高級感や新鮮さは、クロス一辺倒のイメージを刷新し、リフォーム効果が大きいものです。
一方、塗り壁はクロスに比べて格段に高価なもので、例えリビング一部屋だけと言えども4面を塗り壁にするのは予算を圧迫してしまいます。
従って、壁の一面あるいは2面を塗り壁にし、残りの面をクロスにするような上手な使い方がお勧めです。
なお、塗り壁には、漆喰や珪藻土、そして聚楽壁がよく知られていますが、単に平滑に塗るだけでなく左官職人によるデザイン性の高いものもあり、調湿機能や臭いの吸着・分解機能などとも合わせて是非選択肢に入れたい仕上げ材です。
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