例えば、クロスの貼替えリフォームで8帖(4坪)で〇〇万円などと謳っているケースがありますが、これから逆算した坪単価で6帖や10帖の見積額を算出してもいいのでしょうか。
同じ8帖の部屋でも天井高さが変われば、あるいは窓などの開口部面積が異なれば、クロスの使用面積もおのずと異なってくるはずです。
そもそも壁の貼替え面積を床面積から算出すること自体に問題がありそうですが、逆に貼替え面積や貼替え単価で表示しても一般的なユーザーには分かりにくいのも事実ですから、一定条件の元に業者が分かりやすくした工夫とも言えます。
従って、先に挙げた部屋の広さによる価格表示はあくまでも参考で、業者が標準的な天井高さと窓や出入り口ドアを想定して算出したもので、実際には現場調査の上で見積額が変わると考えるべきでしょう。
余談として、特殊な例にフローリングがあり、例えば床面積が4.5坪しかなくとも見積数量では5坪表示されます。
これは、建材メーカーがフローリングを坪単位でしか販売していないためで、業者の不正ではありませんので注意してください。
このように、坪単価はリフォーム内容や業者戦略によって異なり、相見積ではその差に戸惑うことがありますが、十分な説明を受けることが重要です。
現在の新築でのお風呂場の広さは1.0坪大が標準となっていますが、古い住宅では0.75坪大のものが多くあり、リフォームで拡げたいと思われる方も多いと思います。
0.75坪大と言うのは、タタミ1.5枚分の大きさになりますが、これを当たり前に1.0坪大(タタミ2.0枚分)とするには、間仕切りの移動や撤去が必要になり、隣接する洗面・脱衣所との間取り関係によっては難しくなります。
しかし、よほどお風呂場を拡げたいと言う需要が多いのか、現在では既存の出窓を利用して、あるいは出窓形状に改修して1.0坪大に拡げられるユニットバスが出てきています。
上記は、戸建て住宅の場合で、新たに外壁部分を出窓形状にする時には改修費用も掛かりますが、間取り変更の必要がない上に基礎から造るよりはコストが抑えられ、なかなかのアイディアだと思います。
古い長屋住宅には、1世帯の建坪が7坪と言うような極小住宅が、少なくはなってはいますが今でも残っており、特定の理由でリフォームする場合があります。
建坪が7坪と言うことは2階建てで14坪(46m2)ですから、敢えてリフォーム対象とするには相当の理由がある場合に限られるでしょうが、どのようなリフォームが可能でしょうか。
築が古い長屋は、市街化が進んだ現在では意外に便利と言える場所に建っていることが多く、長屋の2世帯を1世帯に、あるいは店舗と宿泊を兼ねて利用するケースも増えてきています。
いずれにしても、このように古い極小住宅でのリフォームでは、スケルトン状態に戻しての改修が必要で、各階をワンフロアー使いする方法が多いようです。
また、古いことやワンフロア化するためには、構造の安全性を見直すことは必須で、長屋で問題となりやすい防音にも十分に配慮するようにしましょう。
そして、このようなリフォームでは、建築士の助言や協力が必要ですから、まずは信頼できる設計士を見つけることが最重要と言えるでしょう。
子育てが終わり、定年退職でマンションを売却し、新たに見つけた戸建てが建坪8坪(16帖大)の中古の2階建(延べ32帖大)なら、どのようなリフォームをすれば夫婦の快適な住空間とすることが出来るでしょうか。
古いタイプの生活様式で建てられた戸建ては、建坪8坪の極小住宅でも、玄関ホール、廊下、台所・・・などと用途別に間仕切られているケースが大半で、延べ床面積に対して間仕切り壁が多いのが特長です。
そのような間取りを可能な限り快適な住空間とするには、ワンルーム化が最適で、各階を寝室とLDKとに使い分け、ホール・階段や廊下を壁で間仕切るのではなく、可能な限りオープン空間とし視覚的に広く見せる工夫が必要です。
例えば、LDKでは階段やホール、そして廊下と間仕切る必要がなく、その階の全てをLDK空間とすれば、視覚的には16帖大の広さのLDKとすることも可能です。
ただし、同じ建坪8坪でも縦横のサイズや形状によってはワンルーム化の有効性も異なる上に、絶対的な広さが不足しているのも事実ですから、階段下や小屋裏などのデッドスペースを有効活用する工夫も必要になります。
なお、各階のワンルーム化には柱や筋交いの撤去・移設が伴うため、リフォーム計画と合わせて、事前に建築士に相談しておくことを勧めます。
延床が30坪でも90坪でも、リフォーム工事の内容は同じですが、規模が大きくなるほど、そのスケジュール管理や工事バランスなどを総合的に判断することが出来る人、具体的には建築技術者が必要になります。
特に、住みながらの工事が多いリフォームでは、スケジュールや段取りが重要で、業者都合で工事を進めた場合、不便さが増し後味の悪い結果にもなりかねません。
また、リフォーム規模が大きくなるほど、居住者が気づかない部分で修繕・修復が必要な部分も建築技術者が気づくことがありますので、リフォーム前には建築技術者に住宅の総点検を依頼することも重要だと思います。
なお、延床90坪にもなると、二世帯あるいは三世帯同居と言うのも可能ですから、それらに対応した計画、さらには将来の収益を兼ねた分割などの予測も必要でしょうから、それらの相談先としても建築技術者の活用を勧めます。
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