二世代同居や二世帯住居では、主となるキッチンとは別にミニキッチンがあると便利なものですが、リフォームでキッチンを増設する場合の注意点を考えてみましょう。
キッチン・ダイニング、あるいはリビングまでも計画できる広さがある場合は苦労しませんが、リフォームのように限られた面積の中で行うキッチンの増設では、何らかの工夫が必要となります。
ミニキッチンでも飲食するスペースは必要ですから、限られたスペースの中では対面式のキッチンカウンターが有効で少し大き目のものを選ぶといいでしょう。
ただし、狭い空間でのミニキッチンとカウンターではゆっくりくつろぐことはできませんので、カウンターに座った背中方向にはそれなりの空間が、できれば視線方向にもある程度の開放感が得られるような工夫が必要になります。
背中側には最低限、人が行き交う物理的な空間が必要ですし、イスに座った視線方向には窓などで開放感を感じられるような工夫が必要で、圧迫感にあるミニキッチンではやがて利用しなくなる恐れがありますので注意しましょう。
一般的な住宅の増築のリフォームで建築確認申請が必要なのは、増築部分の合計面積が10m2を超える場合となっており、帖数で言えば、10m2/1.82m/0.91m=6.04帖となります。
この場合の建築確認申請は、建築基準法における4号建築物(木造2階建て以下、延べ面積500m2以内)となり、申請・審査期間は7日以内とされていますので、工事着工日や完成希望日などから逆算したスケジュールを組むようにしましょう。
なお、建築基準法には遡及効果はなく、古い基準で建てられた既存部分を最新の基準法で審査されることはありませんが、現実的には安全上から何らかの改修指導を受ける場合もあります。
いずれにしても、合計面積が6帖を超える増築では、建築確認申請用の図書や申請書の作成や手続きが必要となるため、建築士を利用した方がいいと思います。
一般的にリフォームは住みながらの工事が多いものですが、工事が中規模以上の場合は、他所に仮住まいとした方がユーザー負担が少なくなる上に、工事期間も短くなる場合があります。
リフォーム対象が多室に渡る場合、住みながらでは工事進行によって居住者や家具の移動が必要で、逆にいえばそれらの移動によって工事スケジュールが決まると言えます。
その場合、本来なら同時進行で進められるクロスなどの内装工事や電気工事なども都度の工事スケジュールとなり、工事期間が延びてしまいます。
工事期間の長短は工事コストに直接影響するものですから、住みながらと仮住まいでは、リフォーム規模によってはプラスマイナス遜色のないコストになるのではないかと思います。
何より、住みながらの精神的負担や工事中のホコリ、そして不便さなどの肉体的苦痛から開放されるメリットがあり、リフォームで身体を壊さないようにすることも大事です。
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