標準的な住宅規模(30坪〜40坪)で、1000万円のリフォーム予算であれば、特殊な材料やデザインに拘らなければ、ほぼどのようなリフォームでも可能だと言えるでしょう。
一方、リフォームに高額な費用を掛ける目的には、その後の数十年の耐用年数が視野にありますから、可能な限り最新の耐震性能や省エネ性能を確保することに重点をおきましょう。
具体的には、耐震性能と省エネ性能は住宅性能表示制度における最高等級とすることを勧めます。
耐震性能は、生命と財産を守り、省エネ性能は冷暖房費のランニングコストを下げるもので、住宅を子や孫に継承していくために必要な基本性能です。
ただし、1000万円を掛けてリニュアールした住宅も、10年〜15年で屋根や外壁の塗装替えやクロスの貼替え、そして設備機器などの交換が必要になりますので、住宅のリフォームに際しては長期的な計画をイメージしておくことが重要です。
仮に、標準的な住宅規模(30坪〜40坪)のリフォームで2000万円が必要となると、坪単価としては50万円〜66万円ほどとなり、新築を建てられそうな金額に悩むのではないでしょうか。
ですから、2000万円あれば、どのようなリフォームもほとんど可能なのですが、上で述べたように、そのようなリフォームが本当に有効なのかは、十分に検討する必要があります。
では、新築が建てられそうな費用で、あえてリフォームするケースとはどのような場合でしょうか。
例えば、基本構造体が比較的しっかりしており、解体や搬出に費用が掛かりすぎる場合などでは、住宅を骨組みだけにして補修・補強で現行の耐震基準に合わせれば、2000万円の予算を無駄なく活用することができます。
上記以外では、住宅規模が非常に大きい場合などが考えられますが、標準的な規模では、かなり特殊なケースではないかと思います。
一般的に軽微なリフォームは築10数年ごと、少し本格的なリフォームが必要になるのは築20年以上からになります。
築20年以上の中古住宅では、そろそろ市場評価額がゼロに近づく頃で、原状回復あるいは模様替えなどで計画したリフォームも、その費用が3000万円にもなる時には、建替えも検討するべきでしょう。
例えば、ハウスメーカーの上位グレード仕様は別にして、標準的には新築の坪単価は60万〜70万円ほどで、諸費用や既存の建物の解体・撤去を含めても、延床30坪〜40坪の新築住宅を建てることはできると思います。
一方、中古住宅の購入を前提にして、リフォームを含めた予算が3000万円と言うのは、十分に理解の得られるものだと思います。
いずれにしても、住宅を2世代・3世代へと引き継ぐためには、計画的なリフォームあるいはイメージを持っておくことが大事で、致命的な不具合が出てからの原状回復は決してコスパの高いものではありません。
注文住宅の総合情報
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