リフォームで扉を替えたい!引き戸にする際の注意点
リフォームで内部の扉を替える方法には、扉だけの交換、そして開閉形式を変えずに建具枠も含めてをセットで交換、あるいは開閉形式の変更を伴うものがあります。
一般的には、開閉形式を変えずに建具枠とのセットでの交換が多いと思いますが、既存の建具が既製品で同じメーカーのものであれば、同じサイズで、あるいは寸法調整をオプションで行い扉だけを取り替えることもあります。
この扉だけの交換では建具枠の交換がありませんから、取り付いている壁の修復がなく経済的と言えますが、寸法調整が必要な場合はオプション費用が発生するため、プラスマイナスも検討しておく必要があります。
なお、開き扉から片引戸への変更は、高齢者対応として有効なものですが、取り付ける壁の改修が必要となりますので比較的コストが掛かるものとなります。
なお、玄関ドアや勝手口の外部サッシュ扉の交換では、外壁の一部撤去や修復のコストを考慮すると、既存のサッシュ枠にカバーを被せるように新設するカバー工法がお勧めです。
なお、勝手口の扉ではガラス枠部分が上下にスライドするタイプがお勧めで、扉を締めた状態でも通気・換気が行え、外側の網戸との併用で非常に付加価値の高い利便性を持っています。
引き戸の種類には大きく分けて、片引き戸、引き込み戸、引き違い戸、引き分け戸があり、リフォームで出入り口を引き戸に替える場合には、それぞれの特徴を知って計画しましょう。
片引き戸とは、開いた時に戸が壁の片側(裏側あるいは表側)に隠れるタイプのもので、隠れる側の壁厚は1/2ほどになります。
また、引き込み戸とは戸を開いた時に戸が壁の中にすっぽり隠れてしまうもので、見た目の良さは片引き戸よりも上ですが、造作上では複雑な形状になります。
引き違い戸は、その名の通り引き違えて開閉するもので、全開幅は建具枚数の半分になるものです。
引き分け戸とは、上記の片引き戸や引き込み戸を左右両側に設けたもので、2枚戸では建具溝が1本で締めた時に戸同士が突き合わせとなり、全開では戸の枚数幅が開口幅になるものです。
いずれにしても、引き戸は開き戸に比べて施錠の強固さに欠けますが、開閉や出入りが便利なため、リビングなどの共用部分や高齢者対応などでもっと活用されてもいいもので、上記を組合せて3枚戸、4枚戸としているものもあります。
全館空調の目的は、全ての居住空間を快適な温度・湿度に保つことですが、リフォームで採用する際には全館空調の仕組みなどを十分に把握しておく必要があります。
厳密に全館空調システムとするには、熱交換機能を伴った24時間換気、そして住宅の高気密・高断熱化も必要となりますので、リフォームでこれらを実現するためには高額な工事となります。
なお、全館空調を全館冷暖房を主目的とした場合、24時間換気や高気密・高断熱は別のシステムと見ることもできますが、冷暖房の効率化や健康な空気環境を考慮すると、やはり併用した方がよいと思います。
全館空調では、エアコン本体で冷暖房を行い天井や壁から冷暖房空気を送風し、汚れた空気を新鮮な空気に入れ替える際に熱交換しますので、大型のエアコンと熱交換器が必要になります。
従って、これらの機器を納める専用の空調室や屋根裏を利用したスペースが必要になります。
なお、上記に挙げた大型のエアコンではなく、一般的なエアコンの延長で、一台の室外機で複数台の室内機に対応できるものもあり、熱交換器も部屋ごとに単体で設置できるものがありますので比較的低価格で全館空調が可能となります。
冷暖房機器の性能は年々向上し消費エネルギーの効率化も図られていますが、より重要なのは住宅の断熱化と気密化で、リフォームの際にはそれらの性能を上げることを最優先とするべきでしょう。
一方、高気密化すると窓の開閉などを意識して行わないと換気が行なえませんので、夏の冷房や冬の暖房で窓を締め切る状態が続く時期には強制的に換気することが必要となります。
なお、建築基準法では、一般的な住宅の居室の換気回数を0.5回/時間と定められていますが、これは2時間に1回は部屋の空気を入れ替えることですから、現在の住宅の自然換気でこれを満足させるのは難しいのが実情です。
従って、冷暖房効率を上げるための高断熱・高気密と24時間換気とはセットと考えておくべきで、これらを現在の基準に適合させれば、国策である2020年の標準的な新築住宅(注文)のゼロ・エネルギー住宅にも対応が可能となります。
玄関ドアの枠は、柱などの外壁内部に取り付いているため、リフォームで枠ともに交換するためには外壁の一部撤去・修復が必要になります。
一方、上記の問題を解決する方法には、既存のドア枠を下地に利用して、外壁の一部撤去・修復を必要としないカバー工法があります。
従って、外壁の塗装や貼替えのリフォームなどがある場合は別ですが、外壁は出来るだけ触りたくないような時にはカバー工法がコストを抑えた方法になると思います。
反面、カバー工法では既存の枠に新しいドア枠を被せるため、幅・高さ共に若干小さくなること、そして新築用の玄関ドアに比べてバリエーションが少ないことがあります。
いずれにしても、現在の玄関ドアは、スマホやカード、あるいはリモコンを利用した最新の防犯機能も備わっていますので、機会があれば交換を検討してみるべきだと思います。
住宅でダウンライトが使用されている場所には、玄関やホール、そして廊下などに多いと思いますが、古い住宅ではほとんど使用されていることが少ないため、リフォームに際しては改めてダウンライトの採用を考えてみましょう。
居室においてのダウンライトはアクセント照明として有効で、リビングのソファー上部に取付けて手元灯に利用する、あるいは壁の絵や飾り棚を照らし常夜灯としても活用ができます。
かつては、ダウンライトは他の照明器具に比べて光が集中するため、白熱球ではその熱で夏季には嫌われものでしたが、現在の主流になりつつあるLEDでは熱をほとんど発生しない上に、消費電力も1/5〜6にもなっています。
また、ダウンライトはその構造上から電球の交換が面倒で脚立などが必要なこともあり扱いにくい部分がありましたが、LEDライトでは飛躍的に寿命が伸び🔟、通常使用で10年以上はあると言われていますから欠点は解決されたと思います。
ダウンライトには、真下を照らすものと首振り機能のあるものがあり、またLEDライトにも電球色、昼白色、昼光色の種類があり、部屋の用途や希望するイメージに合わせた選択も可能となっています。
一般的に、シーリングライトだけでは居室の明るさは均質になりませんが、ダウンライトとの併用で均質な明るさにできると共に、明るさがさほど必要でない時にはダウンライトだけとするなど合理的な運用もできますのでお勧めです。
住宅内で、パネルが利用されている場所にはユニットバスの壁パネル、あるいは流し前のキッチンパネルなどが一般的ですが、それら以外にも内装の壁材として利用出来るものがあり、リフォームに際しては参考になると思います。
内装材として市販されているものには、木目調、ウッド調、石目調、レンガ調、・・・などとあり、素材も自然素材のものから樹脂製のものまであります。
これらの取り付けは、既存壁の上に両面テープやビスで貼り付けるものが多く、DIYでも比較的簡単なものですから、プチリフォームに向いていると言えるでしょう。
クロス一辺倒の傾向が多い内装で、壁の一面あるいは腰壁部分にパネル材を使用することで、比較的安価にアクセントのある内装とすることができます。
また、比較的表面に硬さのある樹脂製のものはキズ防止用として、また自然素材のものには調湿・消臭機能が備わったものもあり、用途に応じた選択も可能となっています。
パーテーションには衝立や仕切りと言う意味があり、間仕切り壁に比べると簡易的なものですが、用途に応じて適宜に部屋を仕切ることが出来ることなどから、リフォームに際しても検討してみる価値はあると思います。
例えば、通常はダイニング・キッチン・リビングで広く使っている空間も、訪問客がある場合などにパーテーションでリビングを独立させることができます。
あるいは乱雑になりやすい家事コーナーやパソコンコーナー、そして書斎コーナーなども使わない時は、パーテーションで隠して見た目をスッキリさせると共に、作業の合理化を図ることもできます。
パーテーションの形には吊り下げ式の引き戸が多く、床にレール溝がないため、オープンにした時も床の一体感を損なうことがなく、戸の種類も、建具調のもの無地のもの、そして明かりを通すものなど様々にあります。
余談:リフォームでボルダリングを自宅で楽しみたい。
東京オリンピックにも採用されることになったボルダリングを自宅でも楽しむことをリフォームで計画してみましょう。
ボルダリングは、ホールドと安全マットだけで楽しめるものですが、自宅に作る場合はそれらよりも下地と取り付け場所を十分に計画しておくことの方が重要です。
まず、ホールドを取付けるボードはホールドを強固に取付けるために厚い方が良く、構造用合板の24mm前後は必要だろうと思います。
構造用合板もこれくらいの厚みになると相当な重量になるため、これを取付けるための下地も頑丈にしておく必要があり、柱や間柱に強固に取付けるようにしましょう。
なお、取り付けボードには事前にホールド取り付け穴をアレンジ用の予備穴も含めて開けておき、穴の裏側には爪付きのナットを予め付けておきます。
また、ホールドをビスで留めるタイプもありますが、配置換えや繰り返しの取り付けでは緩みが出て来る可能性もありますので、ボルト締めのタイプがいいと思います。
次に取り付け場所ですが、一般的な居室の高さだけでは十分に楽しむことが出来ないため、2階の床の一部を吹き抜けにするなど、ある程度の高さを確保しましょう。
その際、ボルダリングで使用しない時の安全も考慮して、柵や蓋も計画しておくことを勧めます。
リフォームで住宅の高断熱化を図るためには、一般的には外壁側の断熱材の入替えや追加の工事が必要になりますが、断熱ボードを利用すると、外壁工事を行わずに高断熱化が図れます。
断熱ボードとは、プラスターボードの裏側に断熱材を貼り付けたもので、断熱材の厚みが3cm〜4cmほどのものです。
ですから、このボードだけでは断熱性能としては貧弱で、あくまでも既存の断熱材に追加する用途として考えた方がいいでしょう。
この断熱ボードを外壁に面した室内壁に貼り付けることで高断熱化を図る分けですが、可能であれば特定の居室部分だけでなく、外壁に面した全ての室内側、そして最上階(2階)の天井にも貼り付けることを勧めます。
さらに、1階の床下の断熱性能を上げると共に、内窓の追加で二重窓とすると、比較的工事規模を拡げずに家全体の断熱性能が上がり、省エネ性能も上げることができます。
難点は外壁の室内側に厚みのあるボードを追加で貼り付けるため、3cm〜4cmほど部屋が狭くなること、サッシュ額縁や巾木の取替え、そしてコンセントやシーリング類の付け替えが必要になることです。
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