床の張替えリフォームの必要性は、他のリフォームに比べて少なく、数十年、メンテナンスさえよければ住宅寿命まで使い続けられるものです。
従って、何らかの理由で床の張替えをする時には、数十年の利用に配慮したフローリング材の選択、そして断熱や吸音・防音までを含めて検討しておくことを勧めます。
木造住宅では、1階床の断熱、2階の床では吸音・防音が必要で、マンションの場合には断熱と吸音・防音の両方が必要となり、特に吸音・防音に気をつけないと下階とのトラブルになることもあります。
なお、フローリング材の耐久性は標準的なものであれば特に問題はなく、半年から1年くらいを目安にワックスでメンテナンスしていれば大丈夫です。
また、ワックスに変わるものとしてコーティングがあり、数十年の耐久年数がありますが、木質の自然な風合いが薄れる恐れもあります。
いずれにしても、床のリフォームは長い住宅寿命の中でも1度あるいは2度あるかないかですから、長期利用に耐える性能とメンテナンス性を十分に検討しておきましょう。
リフォームの際して床暖房にしたい、と言うケースは多いと思いますが、電気式と温水式のどちらが良いのか、またどのような種類や特長があるのでしょうか、検討してみましょう。
電気式には、電熱ヒーター式とPTCヒーター式があります。
電熱ヒーター式の電熱線パネルは、内蔵のサーモスタットや温度ヒューズで安全で、初期の設置費用が安い反面、ランニングコストが高くなる面があります。
PTCヒーターパネルには自動温度調整があり、センサーで陽射しが当たっている部分や家具などを置いてある部分の発熱を抑える省エネ効果があります。
温水式にも、電気温水(ヒートポンプ)式とガス給湯器式があります。
ヒートポンプ式は、初期費用は掛かりますがランニングコストが低めで、ガス給湯式は初期費用が低めでランニングコストが高い面があります。
以上をまとめると、初期費用の安さを優先するなら、電熱線パネル、PTCパネル、ガス給湯式、そしてヒートポンプ式の順で、ランニングコスト優先では、ヒートポンプ式、PTCパネル、ガス給湯器、電熱線パネル、となります。
さらに、立上りの早さでは、ガス給湯器が一番で、電熱線式とPTCがほぼ同じ、そしてヒートポンプ式となります。
従って、床暖房を冬季の継続使用なら、ヒートポンプ式かPTCパネル、サブで一時的な利用なら、ガス給湯器か電熱線パネルの選択となります。
住宅の床材に利用されているものには、天然木系(複合板含む)、カーペット系、CFシート系(ビニールタイル含む)などがありますが、主流はやはり天然木系でしょう。
その主流の天然木系にも、ムク材のものと天然木を薄くスライスしたものを合板に貼り合わせた複合板がありますが、普及率としては複合板がほとんどです。
一方、プリント印刷などの技術の向上で、一見上記同様の天然木系と見えるものに、樹脂シートなどに木目をプリントし合板に貼った床材もあります。
さらに、上記同様に木目をプリントしたCFシートもあり、厚みも4mmと薄く、リフォームの重ね張りに向いたものもあります。
以上から、本格的に床の張替えを行うなら天然木系で、コストを優先するなら樹脂シートに木目をプリントしたもの、そしてリフォーム範囲を最小限にしてコストを抑えるなら、CFシート系を既存の床に重ね張りする方法となります。
注文住宅の総合情報
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