住宅工事のお値段を決めるものには、仮設費、材料費、施工費、交通・運搬費、そして諸経費があり、中でも比重の大きいのは施工費(人件費)で、工事規模の小さいリフォームでは特に人件費の占める割合が大きくなります。
また、人件費の内訳にも実際の施工部分と前後の準備・片付けなどがあり、施工時間と準備・片付け時間のバランスが適切である必要があります。
例えば、クロスの貼替え工事を想定した場合、まず材料の発注から始まり、施工当日のクロス糊付機設置と後片付け、そして往復の交通費、これらは貼替え面積の大小に関わらず同じ作業コストです。
従って、数時間で終わるクロス貼替え面積の時よりも一日必要な貼替え面積の時の方が、全体価格に対するクロス単位面積当たりの値段が安くなります。
具体的には、トイレ便器の取替えに合わせてクロスの貼替えを行う場合も、洗面所などのクロス貼替えなども含めて、一日分の貼り替え量にする方がm2当たりの貼替え単価が安くなると言うことです。
リフォームでは各種の作業が小さくなりやすいものですが、計画的にある程度まとまったリフォーム内容とするほうがお得な値段となります。
リフォーム見積を依頼して提出された見積書には、ほぼ100%の割合で何らかの値引きが行われていますが、この値引きとは一体、何でしょうか。
また、相見積りなどで数社から見積書をとると、見積額の差と共にその値引き額の差が大きく、ますます分からなくなってしまします。
例えば、見積額が100数万円のものを100万円ちょうどに値引きしている場合は、数社からある中から選んでもらった感謝の意味でサービスと見ることも出来、心情的にも理解できるものです。
しかし、100十数万円の見積額を100万円ちょうどにした場合は、10数%の値引きになりますから、元の見積額の信憑性を疑わざるを得ません。
さらに言えば、どんなに値引き額が大きくとも、赤字になってまで工事を請け負うことはありませんので、値引き額を大きくして、サービス印象を強く与えるような見積は要注意で避けた方がいいと思います。
業者選定が終わると契約へと進む訳ですが、その前には何らかの値段交渉を行うのが一般的ですが、上手な値切り方はあるのでしょうか、また値切る時の注意点にはどのようなものがあるでしょうか。
例えば、車や建売住宅のように、目の前に購入する対価物がある場合、その価格を値切ってもそれらの対価物の価値は変わることはありませんが、リフォームでは対価物は完成後にしか目にすることができません。
その場合、あまりに厳しい値切り方をすると感情を害し、工事に対する気持ちの入れ方も減少し、形には現れなくとも仕上げの質などに現れ、値切り以上のマイナス面が出て来る恐れがあります。
工場製品ではないリフォームでは、人が組み立て施工する訳で、特に既存部分との取り合いなどでは創意や工夫が仕上げに大きく影響するため、厳しい値切りで職人や管理者の感情を害さない範囲での交渉としておくべきでしょう。
注文住宅の総合情報
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