中古マンションの購入に際して、どこまでリフォームすれば良いのか悩むこともあるかと思いますが、500万円ほどの予算があればリノベーションも選択肢に入れてみては如何でしょうか。
その際には少なくとも、外壁に面した部分の内壁、そして上階・当階の水回りがある部分の天井・床を撤去して状況を確認しておくことを勧めます。
理由は、外壁(共用部分)からの雨漏りの有無、そして上階や当階からの漏水の有無を確認しておくことが、その後の維持メンテナンスに役立つからです。
共用部分からの雨漏りはマンションの修繕積立金から、そして上階・当階からの漏水はそれぞれの所有者やマンション管理組合との協議で責任の所在と費用分担を明確にすることができ、後のトラブルを未然に防ぐこともできます。
いずれにしても、仮に延坪が30坪ほどであれば、設計料(10%前後)を考慮しても、そして内装や住設備の仕様が標準的なものとすれば、内部のほとんどをリニュアールすることも可能だと思います。
延床30坪〜40坪ほどの一戸建てで標準的な外観を想定した場合、500万円の費用でどのようなリフォームができるかを考えてみましょう。
上記の住宅で予測される外壁面積は、180m2〜220m2ほどで、仮設足場や洗浄などの再塗装に必要な諸々を含んで5000円/m2で算出すると、90万円〜110万円となります。
また、上記の足場を利用して同時期に塗り替えを行うとすれば、想定屋根面積を80m2で3000円/m2とすれば24万円となります。
内部のクロス面積は、間取りで大きく異なりますが、延床が30坪〜40坪の規模であれば、100万円ほどで納まるでしょう。
さらに、床フロアの面積を100m2として、貼替えをフローリング複合板で行ったとして、既存の床材の撤去費を含み9000円/m2で90万円となり、以上の合計で300万前後となります。
残り200万円をユニットバスやシステムキッチン、洗面・トイレなどの住設備にあてれば、ほぼ全てがリニュアールできます。
ただし、上記は予算の大まかな掴み方で、実際には住宅の形状や使用材料によって異なりますので、リフォームに必要な予算の全体像の概略を知ってから、技術者や業者と相談しながら詳細を決めてください。
さらに、できれば予算の5%〜10%程度は予備費として残しておくことを勧めます。
リフォームの工事費が500万以上にもなると、その範囲や内容が多様で工事期間も比較的長くなり、素人では全体を統括することが難しくなります。
それらを解決する手段として、リフォーム内容や設計、予算、そして工事監理を含めて設計事務所の活用を検討してみては如何でしょうか。
設計事務所の設計・監理料としては、一般的にはリフォームの設計と工事監理がセットで、工事費の5%〜15%ほどを予算に組む必要があり、この割合は工事費が高くなれば小さく、低くなれば大きくなります。
一方、設計事務所に依頼した場合、オリジナリティのある提案を受けることができる上に、工事期間中の監理や報告を受けることもできるため、質の高い仕上がりが期待できます。
なお一般的に、設計事務所に口頭でも業務依頼した時から契約が発生しますので、事前に設計料や業務内容などを確認しておき、安易な依頼でトラブルにならないように注意しましょう。
注文住宅の総合情報
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