住宅の大きさは、建築基準法で定められた建蔽率や容積率に制限されており、建築面積や延床面積は、ほぼ限度で作られているものが多く、リフォームで二世帯住宅とする時の選択肢に増築は難しいのが実情でしょう。
従って、既存面積の中で二世帯住宅とする訳ですが、キッチンやお風呂などの各世帯による生活リズムやスタイルが異なりやすい部分では何らかの工夫が必要です。
ミニキッチンなどを別途に設けられる場合は良いのですが、それが難しい時はキッチン・ダイニングを二世帯人数で利用可能な広さとすること、また利用時間のズレに対応できるようにリビングと容易に独立させる工夫も必要でしょう。
食後にリビングで寛いでいる時の調理音や臭いは不快となることもありますので、引き込み式の建具などを採用すれば、開閉が容易でフルオープンにも対応できます。
また、浴室や洗面などでは、小さくてもシャワーブースなどでサニタリーコーナーを別途追加すれば、各世帯が必要以上に気遣いすることなく生活できると思います。
以前は非常に高額だったホームエレベーターも、普及するに従ってコストダウンが図られ、バリエーションも数多く出回り、3階建てのリフォームの有力候補とすることができるようになりました。
特に高齢化が進んでいる現在では、階段での落下事故防止や上下階移における負担の軽減などは、解決しておきたい問題です。
一般的にホームエレベーターは、自立式あるいは半自立式のものが多く、既存の構造体に大きく手を加えることなく設置することが可能となっていますが、設置する部分の基礎や柱や梁、場合によっては床や壁も補強が必要になります。
また、形式にはロープ式と油圧式があり、それぞれに長短所がありますが、リフォームの場合はその設置場所やスペースなどの条件を優先して選ぶ方が現実的だと思います。
ホームエレベーターに必要なスペースとしては、2帖(1坪)弱ほどが標準ですが、車イスと介護者の同乗を前提としてサイズや一方向あるいは二方向の出入り口の選択をすると良いでしょう。
費用としては、本体価格と設置費用を合わせて350万円前後、ランニングコストは8000円前後/年が標準的で、法定点検(1回/年)やメンテナンス費用で🔟10万円前後/年、そして行政への設置申請に10万円ほどが必要となります。
リフォーム済の中古物件では、その間取りや内装などで十分には満足しないケースがあり、そのような場合には可能であれば、希望するリフォームに適した物件を探す方がいいと思います。
ただし、リフォーム前の中古物件は、宅建業者の仲介による個人売買の現状渡しとなりますので、瑕疵担保責任による保証は付きません。
従って、リフォーム前の中古物件の購入に際しては、事前の住宅診断がリスク回避には必須で、住宅診断士や建築士へ相談することを勧めます。
また、希望するリフォームに適した物件であるか否かの判断には、希望する生活スタイルのイメージをある程度は持っておくことが重要で、合わせて構造的にその実現の可能性も確認しておくことが必要です。
そのためには専門の知識や技術に基づく判断が必要ですから、上に挙げた住宅診断と合わせて設計依頼できる建築士を探しておくことを勧めます。
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