古い住宅の2階の間取りでは個室だけが配置されているのを多く見かけますが、リフォームに際してはトイレや洗面を、2世帯同居などではミニキッチンを設けるケースも増えてきています。
2階のリフォームが、クロスの貼替えなどの軽微なものであれば、特に問題はありませんが、大工仕事や上記に挙げたような工事の場合には、既存の撤去材や新たな資材の搬出・搬入の経路が問題となります。
具体的には、玄関、ホール、階段などの搬出・搬入経路には養生が必要で、1階のリフォームに比べて養生コストが上がり、長い物や大きいものは、2階の窓やベランダなどからの搬出・搬入も考えなければなりません。
また、あまり細かく神経質になる必要はありませんが、事前に養生の場所や方法、そして資材等でリフォーム部分以外にキズがついた時の無償修理などについても確認しておきましょう。
リフォームで2階を増築する場合、多くは1階の下屋の上に部屋を造るのが一般的な方法でしょう。
その場合、下屋の瓦、下地、小屋組みの撤去を行い、新たに柱・梁や壁、そして2階増築部の屋根を組み立てますが、この時に既存の構造や仕上げとの接続部分にトラブルが起きやすくなります。
増築は新築時には無かった負荷を増やすことですから、その後に壁のひび割れや、屋根あるいは接続部分からの雨漏りも発生しやすくなるのです。
増築の設計や施工は専門業者に任せるしかありませんが、上記のようなトラブルを避けるためには、増築を単に足し算で考えるのではなく、増築部分を含めた全体の構造バランスや雨漏りに対しても十分に検討してもらいましょう。
また、増築後に建築基準法違反とならないよう、事前に設計事務所などと相談し、建蔽率・容積率あるいは耐震基準違反とならないようにすることも重要です。
リフォームで2階にキッチンを新設する場合には、厨房設備だけでなく付帯設備・工事も必要となり、その中でも比較的比重の大きいのが給排水で、外壁の貫通や場合によっては2階床や1階天井の一部撤去・復旧も伴います。
さらに、設置場所から地面に下ろした排水管近くに雑排水桝がない場合には、必要な場所までの排水工事も必要になります。
次に、ガスコンロかIHヒーターにするかの選択になりますが、受電容量に余裕があればIHヒーターの方が工事コストを抑えてくれます。
なお、換気扇も新たに設けなければなりませんが、外壁の貫通穴の位置が比較的アバウトに決められることと開口を小さくできることからシロッコファンがいいでしょう。
いずれにしても、上記の外壁貫通工事には、部分的にでも仮設足場が必要なこともあり、2階にキッチンを新設する場合には、付帯設備・工事の比重が大きくなることに注意しましょう。
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