台所をリフォームする際には、単に厨房機器の入替えや内装のリフレッシュが原因であっても、少し先の生活スタイルを見越した内容としておくことが必要だと思います。
厨房機器の老朽化や陳腐化がリフォーム原因であっても、その後に高齢化対応が予測される場合は、イスを使った洗い物ができるシンク形状や、安全性を優先したIHヒーターの採用なども視野に入れておかなければなりません。
また、孫や二世帯同居などで家族が増えると予測される場合には、ダイニングを含めたリフォーム内容としておく方が合理的で、頻繁に行うことのできないリフォームでは少し先を見越しておくことがコストパフォーマンスを上げます。
なお、IHヒーターの採用は使用電気容量の増加に伴う契約変更が必要になる場合があり、厨房機器の移動では排水口の位置などから難しい場合もあるため、リフォーム計画が無駄にならないよう事前にその可否を確認しておきましょう。
造り付け棚の用途は取付ける場所によって異なりますが、収納目的以外に壁のアクセントとしても重要な要素があり、リフォームで計画する際には、色々な工夫を楽しめると思います。
意匠性が高いのはブラケットタイプの棚で、ネットや家具雑貨店などで気に入ったブラケットを見つけた時には、DIYで挑戦してみてはいかがでしょうか。
アンティーク調や幾何学デザインのいずれでも木製の棚と組み合わせたものはインテリアとしても、おしゃれな雰囲気がありますのでお勧めです。
ただし、ブラケットタイプの棚はその形状から、頭等をぶつけて怪我をする恐れもありますから、動線上には設けないようにしましょう。
収納が主目的の造り付け棚の場合は、棚板の高さを調節できる構造にすると共に、棚板がたわまない厚みとすること、あるいはたわみが発生しない距離に支持部を設けることが大事です。
たわみが長期間に渡ると、置いていたものを除いても元に戻らないクリープ現象が起こりますので、計画段階で収納物を予測し、クリープが発生しない強度と構造にするようにしましょう。
ガスコンロの口数は3口が一般的ですが、本当に3口がベストな選択なのか、リフォーム時には調理スタイルや利用形態なども考慮して見直してみることを勧めます。
ガス・IHを問わずコンロの3口目は比較的火力が弱く主力は2口目までで、2口が手前、3口目が奥に配置されているのが一般的です。
この場合、手前のコンロでの煮炊きものや揚げものによる跳ね返りは床下に落ちやすいですが、2口コンロでは3口に比べてコンロの位置が奥になりますので、跳ね返りが床に落ちるケースが少なくなります。
調理スタイルにもよりますが、家庭用の3口コンロでは同時に調理できるほどコンロ間は広くなく、フライパンなどのように動かしながらの調理では3口目が邪魔になり、実質的には2口の方が調理しやすいと言う面もあります。
このように、何となく勧められるままに設置していた3口コンロも、実際の利用形態や利便性を考えた場合、2口の方がいい場合もありますので、リフォームを機会に見直してみることも必要ではないかと思います。
キッチンリフォームで厨房機器の入替えを行う場合、コンロの入替えだけを行うケースもあると思いますが、出来ればレンジフードの入替えも合わせて行うことを勧めます。
なお、レンジフードには大きく分けて、外壁に取付けるプロペラファンタイプのものと、設置場所を選ばないダクト排気のシロッコファンタイプのものがあり、現在ではシロッコファンタイプが主流になっています。
レンジフードは定期的に清掃していればかなり耐久性があるものですが、最新のシロッコファンでは、排気フィルターやフード本体の改良で、汚れにくく清掃しやすくなっていますのでお勧めです。
一方、調理で発生する蒸気や煙は臭いだけでなく、壁や天井を汚す元ともなりますので、排気が適切に行われるように吸気側の装置も検討しておかなければなりません。
特に気密化が進んでいる住宅では、同時吸排気型のレンジフードや、キッチン近くに吸気口を設ける、あるいはサッシの換気かまちをオープンにしておくなどの配慮が必要です。
また、お勧めとしては、コンロの着火や調理物の温度に合わせてレンジフードのスイッチが自動で入るタイプのものがあり、ついうっかりの付け忘れで煙や臭いが部屋に充満するすることを防いでくれます。
キッチン吊り戸の下端高さは、レンジフード高さに揃えられているのが一般的ですが、消防法でガスコンロ台から上部のレンジフードまでの高さを制限していますのでリフォームでは注意が必要です。
基本寸法は80cmですが、ガスコンロの消し忘れや加熱防止、そして立ち消えなどのセンサー機能が標準で付いているガスコンロでは60cmまでに緩和されています。
なお、IHヒーターも消防法ではガスコンロと同様の扱いとなりますが、その扱いは地域条例で異なる場合があるため確認が必要です。
標準的な天井高さと流し台の高さをそれぞれ240cmと85cmとすると、240−85−60=95cmとなり、標準的に用意されている吊り戸の高さ、50cm・60cm・70cm・90cmのいずれも選ぶことが可能となります。
ただし、吊り戸は扱いやすい高さでは扉で頭をぶつける危険があり、高くすると使いにくくなる相反する面をもっていますから、スイングダウンタイプや引き違い戸タイプのものも選択肢に入れておきましょう。
いずれの選択においても、吊り戸には重量物を収納することは避け、やむを得ない場合でも踏み台やイスなどを使わないで出し入れ出来る高さの範囲にしておきましょう。
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